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運営者ブログ - ニュースカテゴリのエントリ

光をコントロールすれば時間は止まる?

時間を止める実験に成功したというニュースがあり驚きました。時間を止めた場合、実験内に留まらず全宇宙に関係するのでは、と思い記事を読むと、なぜこれで時間が止まったことになるのかよくわからない内容でした。
記事によると、まずこの実験は可視光線を屈折させて物体を見えなくする”透明マント”の研究成果に基づくものとのこと。透明マントで物体が不可視になるのは、光が物体に当たらずに避けて通るためです。確かに、見るという行為は光を見ているわけですから、光が物体を避ければ見えなくなりますね。

今回の実験はこの概念を応用して時間の”穴”を作ったとのことで、説明によると「光の速度を上げ下げして時間的な歪みを生じさせれば、時間領域で光線にギャップが生まれる。その瞬間に起きた事象は光を散乱させず見えないため、起こらなかったも同然になる」とのことですが、よくわかりません。見えなくなるというのはわかりますが、それがなぜ起こらなかったも同然になるのでしょう。例としてあげられていた次の説明を読んでも、通り抜け可能ということは起こらなかったも同然でありませんし時間が止まっていないのでは、と思えます。
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「例えば、貴重な展示物を守る博物館の防犯装置を考えてほしい。行き交うレーザー光線を犯人が横切ると、検出器が反応して警報が鳴るシステムだ」
「しかし、光線の一部で速度を上げ、別の部分で速度を落とせば、瞬間的に光線が途切れることになる。このタイミングなら誰でも通り抜け可能だ。直後にすべての速度を正常に戻せば光線は元通り。検出器は“異常なし”と判断してしまう」
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今回の実験では、特殊なガラス光ファイバーを用いた実験手法を使い、プローブめがけて照射したレーザー光線と強力なパルスレーザー(細かく点滅するレーザー)をこの中で交差させるとのこと。交差の際に光線の周波数と波長が変わり、スピードも変化。これで時間のギャップが生まれ、時間の穴で起こった事象はプローブで検出されなかったそうですが、やはりなぜそれで時間が止まったことになるのかよくわかりません。「時間の穴」というよりは「視覚の穴」に思えます。

さて、SFで時間ものはひとつのジャンルとして扱われます。時間ものは歴史改変のようなスケールの大きなものから情緒的なものまで幅広くありますが、更に時間ものの中にジャンルとして確立したものがあります。ケン・グリムウッドの「リプレイ」のヒットによって”リプレイもの”というジャンルが生まれています。これはいわば人生やり直しもので、記憶を保持したまま若いころの自分に戻るというものです。

「リプレイ」ケン・グリムウッド


地球サイズの惑星が2つ発見される

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-12-25 17:19
地球サイズの惑星が2つ発見される

ここ最近太陽系外の星系で惑星が発見されたというニュースが続いていますが、ケプラー宇宙望遠鏡で発見された2つの惑星は大きさこそ地球の約0.76倍、約0.87倍とよく似たサイズですが、その生い立ちは大きく異なります。天文学者の推測によると、これらはかつては木星の様なガス状惑星だったが、年老いた主星が膨張したさいに飲み込まれ、ガスを剥ぎ取られた残りとのこと。膨張した太陽に飲み込まれても惑星として残るというのは驚きです。

これら惑星は、はくちょう座の方角、約4000光年先にあるKIC 02697388というB型準矮星の周囲を公転しているとのことで、このB型準矮星とは高温で青く見える恒星で、恒星の進化上では、赤色巨星と白色矮星の中間段階にあるとのこと。太陽系の太陽のようなタイプの恒星は最終的に白色矮星になるそうで、後50億年ほどするとこの段階になるとのことですので、その際には木星や土星が残るのかもしれませんね。

NASA、彗星サンプル採取装置を開発

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-12-18 11:47
NASA、彗星サンプル採取装置を開発

彗星に銛を打ち込んで彗星核のサンプルを採取する装置をNASAが開発したそうです。彗星の直径はわずか数キロで、重力が地球の約100万分の1と非常に小さく探査機の着陸は困難なため、サンプルを採取する方法として彗星に5メートルほどの距離まで近づき、銛を打ち込むという方法とのことです。

サンプルリターンは、彗星が太陽から約4億6300万キロに位置するときに行われるそうです。地球、太陽間が大体1億5000万キロですからその3倍の距離になります。彗星上空数メートルでホバリングを開始、サンプルを格納するための筒状のコンテナが収められた銛(ハープーン)を爆薬で発射して彗星核深く打ち込むとのこと。コンテナを引き上げる際にコンテナは銛の先端から切り離され、回収後地球に持ち帰ります。

ところで、彗星はドライアイスや氷ででできていて、岩石からなる小惑星とはまったく別の天体だと思われていたのが、ここ10数年の研究で高い関連性があることがわかってきたとのこと。20世紀半ばに発見され、その後見失われていたウィルソン・ハリントン彗星が再び姿を表した時に小惑星になっていて、彗星特有のガスや塵の放出がなくなっていたそうです。これは、彗星の表面に塵の層が形成されて氷が蒸発しなくなったと考えられるとのことです。彗星が小惑星になったのは、氷で覆われていた小惑星から氷がなくなったのかと思ったのですが、その場合、小惑星に氷が付着して堆積しその後氷がなくなることになりますから不自然ですよね。

火星で石膏を発見、確実な水の証拠?

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-12-13 0:19
火星で石膏を発見、確実な水の証拠?

これまで火星探査機は何機も送られていますし、軌道上からの写真を見ても何らかの液体が流れたように見える地形がありますので、水の証拠が見つかったというニュースを見てもそれほど驚くことはなくなりました。
今回の発見は、探査車オポチュニティが石膏の鉱脈を探し当てたというものです。石膏は硫酸カルシウムと水の反応で掲載される鉱物で、液体の水がないと存在しないことから水が存在した確実な証拠とされています。この石膏が発見されたエンデバークレーターには、他にも火星を周回する探査機のデータから粘土鉱物の一種であるスメクタイトの形跡が発見されているそうで、やはやり水の関与が考えられるとのことです。

さて、SFの世界で火星はお馴染みで、火星を地球化するテラフォーミングの舞台としてもよく取り扱われます。小説以外でも、アーサー・C・クラークの「オリンポスの雪」という本では、1000年にわたるテレフォーミングの各段階をコンピュータ・グラフィックスで紹介しながら考察しています。この本が書かれた頃に出た、風景を作るソフトで火星のてれフォーミングの過程を作っていて、結構リアルなできで話題になっていたように思います。実際の火星の地形に合わせて海ができ、緑が増えてくる光景はなんとも言えない感動を覚えました。

アーサー・C・クラークの「オリンポスの雪」


銀河系の見えない光、ボイジャーが観測

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-12-4 22:54
銀河系の見えない光、ボイジャーが観測

1977年に打ち上げられたボイジャー1号、2号は、2004年にヘリオシースと呼ばれる太陽系の最外縁領域に到達し、その後も更に地球から遠ざかっています。今回、太陽系の外縁領域にいるボイジャーが地球からは観測できない天の川銀河の他の領域から届く紫外線光の一種を検出したとのことです。30年以上前に打ち上げられた探査機がまだ稼動しており、こんな遠くから観測結果を送信してくるとは驚きです。
この光はライマンアルファ線という紫外域にある波長の一つとのことで、新しい恒星が掲載される”星のゆりかご”で特に強く放射されるものとのこと。地球からだと、宇宙空間に漂う水素原子が太陽放射を拡散冴えるため検出することはできないそうですが、そんな状況でこのような光があることがわかるというのもすごいことですね。
ボイジャーは今後数年以内にバウショックと呼ばれる太陽系の最終端に到達する見通しとのこと。バウショックは、太陽風が星間ガスに衝突して完全に停止するところで、ここでも多くの発見が期待されています。

さて、SFの世界で探査機ものも幾つかあります。野尻抱介の短篇集「沈黙のフライバイ」には、異星人の無人探査機が太陽系にやってくる物語が収録されています。特に大きな事件が起きるわけではなく、恐らく、いわゆるSFクラスタ以外の人にとっては、ふーん、で終わるような話かもしれないのですが、SF好きにはたまらない壮大なビジョンが描かれていて静かな感動を呼ぶとでもいった物語です。

野尻抱介「沈黙のフライバイ」

古川宇宙飛行士、地球に帰還

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-11-27 23:38
古川宇宙飛行士、地球に帰還
2011年11月22日、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在任務を終えた古川 宇宙飛行士ら3名を乗せたソユーズTMA-02Mが地球に無事帰還しました。滞在中に体力維持のための運動をしていたとはいえ、約5ヶ月間半にわたる長期滞在となると帰還後しばらくは立つこともできないわけですから、筋トレくらいでは使わない筋肉の筋力維持には足りないということですね。それから考えると、重力の元でただ立ったり歩いたりするだけでも結構筋力を使っているということですね。

さて、無重力の環境を舞台としたSFは多数ありますが、無重力環境での戦闘シミュレーションを扱った「エンダーのゲーム」はオールタイムベストに入るくらい有名です。このエンダーものはシリーズになっていて、「エンダーのゲーム」以降の時代を扱った小説が6冊くらい出ています。「エンダーのゲーム」では少年だったエンダーが年をとり、亡くなるまでの物語です。他にも、エンダー以外を主人公とする小説も何冊か出ています。「エンダーのゲーム」でエンダーの副官だったビーンを主人公とした小説もいくつか出ていて、「エンダーズ・シャドウ」は「エンダーのゲーム」をビーンの視点から見た小説です。

「エンダーズ・シャドウ」オースン・スコット・カード
 

ゴンドワナの名残か、インド洋で発見

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-11-23 17:44
ゴンドワナの名残か、インド洋で発見

恐竜の時代に存在したと考えられる大陸、ゴンドワナ大陸の一部と見られる巨大な岩盤がインド洋の深海で発見されたそうです。ゴンドワナ大陸は、現在のインド、南極大陸、オーストラリア大陸を含む超大陸であったと考えられており、今回海底から引き上げられた岩石は通常地上の大陸で見つかるもので、化石も浅瀬に生息する二枚貝のものとのこと。大陸が分裂していく際に残されて沈んだ大陸の名残の岩盤と考えられるそうです。
ゴンドワナ大陸が分裂しインド洋が形成されたのは約1億3000万年前、大陸の一部だったインド亜大陸はアジア大陸と衝突しているため、分裂の経緯は今後も永遠にわからない部分もあるそうですが、今回の発見が研究の助けになればよいですね。

さて、大陸移動は地学的なスケールで進むものですが、SFの世界でも壮大なスケールの期間を舞台にするものは珍しくありません。例えば、惑星のプレートの移動によって海溝にプレートが沈みますが、この仕組みによってその惑星に存在したという証拠を消すというエピソードのあるものがあります。デビッド・ブリンの知性化シリーズでは、この銀河系の知的生命体は全てより高度な文明を持つ種族によって”知性化”された結果、知的生物になったとされています。この知性化をした方とされた方の種族は主従関係にあり、従族は数万年にわたり従属的な地位となります。人類は主族がなく文明を発達させ、この小説の舞台ではイルカやチンパンジーの知性化を独自に行なっていたことから、文明的には他の種族から遥かに劣るものの主族としての地位を得ています。他の種族にとって人類はありえない存在で、人類は伝説の始祖によって知性化されたのではないかとも考えられている存在です。

主族扱いとはいえ、1万年落ちの中古の宇宙船を買ってようやく銀河に乗り出した人類にとって、一部の友好的な種族を除き弱肉強食の銀河列強は脅威の存在です。そのような中、人類と知性化されたイルカによる探検隊が、遥かな昔に遺棄された宇宙船団を発見します。これは伝説の始祖のものでないかとのことで、銀河列強がこの船団を発見した宇宙船を追ってくるという話がスタータイド・ライジングです。
この世界では、列強種族達は進化の黎明期から高度な文明によって教育されているため、地球にあるような神話や迷信の類、天動説や中世の戦国時代のような歴史はまったくなく、謀略や戦術にかけては人類は抜きん出ているのです。この人類の”叡智”で遥かに高度な科学技術を持つ銀河列強をかわし、戦いに打ち勝っていくところが痛快なシリーズです。

先に紹介したプレートが海溝に沈むのを利用するというは、この世界では惑星の生物がある段階に達するまでは関わってはいけないというルールがあり、そのような惑星に何らかの建築物を作る場合は、将来プレート移動によって沈むことがわかっている地域に建設することになっているのです。

「スタータイド・ライジング」デビッド・ブリン
 

小惑星最接近、月の内側を通過

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-11-13 21:39
小惑星最接近、月の内側を通過

2011年11月9日、直径400メートル程の小惑星「2005 YU55」が月軌道の内側、約32万5000キロのところを通過しました。この「2005 YU55」は今後200年間は今回ほど接近することはないそうなので、これほどの大きさの小惑星が月よりも近いところを通るのは珍しいのかと思ったら、1976年以来とのことで意外と多いのかという印象です。

恐竜絶滅の原因と言われる6500万年前の隕石衝突は、1億年に1回クラスの出来事というのを何かで読んだ記憶があります。3.11の大震災は600年に1回クラスの大地震とのことですが、600年に1回のことが実際に起きた今、1万年や10万年、1億年に1回クラスのイベントも将来必ず起きるのでしょう。こういう大災害の話になると、人間は無力みたいなことをいう人がいますが私はそのようには思いません。大地震や隕石衝突のような大災害は人間がいようがいまいが発生し、そこに人間がどうという余地はそもそもないのです。あえて人間は無力という裏には、何か別の力が働いているとでもいいたいのかという気がして嫌なのです。

さて、SFで隕石衝突物というとクラークの「神の鉄槌」を思い出します。発見された小惑星が8ヶ月後に地球に衝突するコースにあることが判明し、この危機に対し最新鋭の宇宙船が小惑星に向かうという物語です。このように書くと、パニック物、アクションものという印象をもつかと思いますが、そこはクラークだけあってそうはなりません。舞台は22世紀、月や火星に広がった人類社会を舞台に、しっかりした科学的背景の元、災害に対処する人類の姿を描く小説に仕上げられています。個人的にはクラークのベスト5に入る小説です。

「神の鉄槌」アーサー・C・クラーク


巨大ブラックホールの謎に新説

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-11-5 9:09
巨大ブラックホールの謎に新説

これまでに観測されたほぼすべての大規模な銀河系の中心には、超巨大なブラックホールが存在します。太陽の数十億倍もの質量を持つとのことですので、超巨大というのも伊達ではありません。これら銀河中心のブラックホールの周囲には塵の輪があるのですが、これまでこの塵がどこから来たのか、また長期にわたってブラックホールの周辺にとどまっていられる理由が知られていませんでした。

銀河中心のブラックホールを公転する恒星も発見されているそうで、今回の説によると、ブラックホール近辺では重力が極めて強いので、恒星をめぐる惑星は主星から切り離され互いにぶつかりあっている可能性があるとのことです。
素人考えだと、超巨大ブラックホールとはいえ太陽のような天体の一つですので、ブラックホールをめぐる安定した軌道があり、そこに恒星と更にその恒星を公転する惑星があっても不思議ではありませんが、惑星が切り離されるほどブラックホールの重力の影響のあるようなところには惑星は形成されないような気がします。

さて、銀河系を舞台としたSFは珍しくありませんが、銀河系の仕組み自体を新たに設定してしまった小説があります。ヴァーナー・ヴィンジの「遠き神々の炎」では、銀河系の外に向かうほど生物の知性は向上しコンピュータの速度も上がり、超高速航行も可能になるという、空間の性質が様々なものに影響するという世界が舞台です。ちなみに地球のある地域は「低速圏」と呼ばれ、この空間では空間移動や通信は光速以下で各文明は孤立しています。この小説の主な舞台となっているのはこの「低速圏」の外側「際涯圏」で、ここでは超高速の飛行や通信も可能となっています。このような世界を舞台とし、人類が太古の遺跡を発見したところから銀河規模の大事件に発展していくという物語です。

「遠き神々の炎」ヴァーナー・ヴィンジ
 

西暦185年に現れた「客星」、残骸が大きく広がった理由を解明

超新星爆発の後にできた星雲というと、西暦1054年に出現した超新星の爆発でできた「かに星雲」が有名ですが、最も古い超新星の記録として西暦185年の「客星」があります。この「客星」は約8ヶ月にわたり光り輝いたとの記録が中国に残っているそうで、人類最古の超新星の記録とされています。

その後の研究で、地球から約8000光年離れている超新星残骸RCW86がこの「客星」の爆発によってできたことがわかっているそうです。この超新星残骸の大きさが、通常考えられるよりも2~3倍大きいとのことで、その原因はこれまで謎とされてきましたが、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡と広域赤外線探査衛星WISEによる観測でこの謎が解明されたそうです。論文によると、物質の密度が低い宇宙空間で超新星爆発が起きたことで、放出された物質が通常よりも早く拡散したということです。宇宙空間の物質の密度は極めて低いので、その中で密度が低いといってもその差は小さいものだと思うのですが、2000年の間に拡散の速さの差2〜3倍にもなるような影響を与える程の違いになるとは驚きです。

「あかり」が捉えた宇宙最初の星の光

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2011-10-23 1:26
「あかり」が捉えた宇宙最初の星の光

赤外線天文衛星「あかり」の観測で、ビッグバンから約3億年後に宇宙で最初に生まれた第一世代の星の集団に起因すると考えられる、明るさのゆらぎが見出されたそうです。これまで、マイクロは宇宙背景放射の観測によって、ビッグバン後40万年後の宇宙は極めて一様かつ等方であることが知られています。また、宇宙誕生から数億年後には銀河が存在していたことが知られており、現在の宇宙のように銀座のような密度高い天体とほとんど物質の存在しない空間が混在する非一様な宇宙になるまでの間の観測はこれまで全くなかったとのことです。

宇宙の年齢は137億年とされていますから、134億光年先の光を捉えているということでしょうか。夜空を見上げると星が見えますが、ご存知のように星々は何光年も先にありますから、今見えている光はすべてそれぞれ過去に発せられたものが見えています。つまり、夜空を見上げると、時間と空間の奥行きを見ていることになりますね。

さて、SF小説の中でもスケールの大きなものになるとビッグバンが絡んできます。スティーヴン・バクスターの「ジーリー・クロニクル」シリーズでは、ビッグバンによる宇宙の始まりから恒星がすべて死に絶える宇宙の終焉までが描かれている壮大な物語です。

「プランク・ゼロ」「真空ダイヤグラム」スティーヴン・バクスター
 

自作ロケットを地上36.8kmの上空まで飛ばし成層圏の様子を撮影

アメリカでの自作ロケットの打ち上げは、確か大会も開催されていて日本人も参加してます。
実話を元にした「遠い空の向こうに」という映画もありますね。公開された当時はSMAPの曲名かよと思ったことを覚えています。映画の原題はOctober Sky、原作小説はRocket Boysで、映画のタイトルは原作小説のアナグラムになっているそうです。

この映画はNASAの技術者の実話を元にしていて、小さな炭鉱町を舞台に高校生の主人公がロケット作りに挑戦する物語です。
ロケット作りに理解を示さない父親と主人公は対立していて、父親は一度もロケットの打ち上げを見に来たことがないのですが、コンテストで優秀な成績だったか何かで主人公達がそこそこ評価されるようになり、月日がたつうちに父親との和解も進み最後にロケットの発射ボタンを父親に押してもらうというシーンがあります。そのシーンで、打ち上がったロケットを見上げる父親の表情がとても良いのです。

この映画を見たのはもう随分前ですが、この時の父親の表情は今でも忘れられません。何というか、ひとつには想像以上に高く上昇することに対する純粋な驚き、そう簡単に認めてたまるかといった感情、対立していた息子が成し遂げたことに対する誇り、等が相まった表情とでもいいましょうか、役者ってすごいなあとも思った記憶があります。

「遠い空の向こうに」


すばる望遠鏡、誕生10億年後の宇宙に炭素を発見

日本とイタリアの共同研究チームが、すばる望遠鏡による観測で125億光年かなたで電波を放出する電波銀河から、炭素輝線の検出に世界で初めて成功したそうです。炭素は我々地球の生命体にとって基本構成元素であり、宇宙で初めて生成されたのがいつなのかを知る第一歩というところでしょうか。

ビッグバンは137億年前と考えられています。誕生直後は水素とヘリウムしか存在せず、太陽内部でのヘリウムの核融合反応によって炭素や酸素が生成されます。宇宙誕生後10億年後に炭素があったということは、当時の太陽の寿命は現在よりもずっと短かったようですね。

さて、我々地球の生物は炭素を中心として構成されていますが、SFの世界では炭素以外の元素で構成されている生物としてケイ素生物というアイデアが時折出てきます。アシモフの「アシモフのミステリ世界」という短編集に「もの言う石」という物語がありますね。
地球の海、彗星が起源かも?重水素比率がカギ

地球の面積の7割を占める海。この大部分は彗星の氷によってできた可能性があるとの研究結果が発表されたとのことです。この説は何十年も前から聞いたことのある説のように思いますが、この仮設の証拠として今回水に含まれる重水素の比率が挙げられているそうです。
欧州宇宙機関のハーシェル宇宙望遠鏡に搭載されている赤外線装置でハートレー第2彗星の氷を分析したところ、重水素の比率が地球上の水と同じだったとのこと。現在でも地球には毎日2兆個、100トンもの隕石が降り注いでいますので、地球のような惑星が形成される頃には現在とは比較にならないくらいの隕石や彗星の密度があり、灼熱の地球に大量の彗星が落下していたことでしょう。蒸発した水が大気圏内に留まり、その後地球が冷えてきた際に大量の雨となって降り注ぎ海となったのかもしれませんね。

さて、SFの世界で彗星が舞台となるものというと、キャプテン・フューチャーの「彗星王の陰謀」がすぐに思い浮かびます。確か彗星の中に惑星があったというようなエピソードだったように思います。他にクラークの「2061年宇宙の旅」でハレー彗星に着地するツアーのエピソードがありますね。

「彗星王の陰謀/惑星タラストを救出せよ」エドモンド・ハミルトン

「再利用可能ロケット」、米宇宙ベンチャー1月打ち上げへ 火星移住が目標

米宇宙開発ベンチャー、スペースX社が、再利用可能なロケットの開発に取り組んでいるそうです。
同社が宇宙線「ドラゴン」の打ち上げ実験に使用したロケット「ファルコン9」を再利用できるよう改良しているとのことで、来年1月に国際宇宙ステーションへの物資の輸送のため初打ち上げされるとのことです。

ロケットの再利用ができれば、打ち上げコストが大幅に削減できるとは思いますが、スペースシャトルの時も当初考えられていたコスト削減効果はなかったことからすると、そう簡単には行かないように思います。ただ、スペースX社のマスクCEOによると、解決方法はあるとのことですので期待したいと思います。

CEOによると、将来の目標として人類の火星移住に貢献することとのこと。火星は太陽系の中で最も地球に似た惑星ですので、いつかは人類が到達するでしょう。ただ移住となると火星到達から100年は先のような気がします。なんといっても孤立無援の場所ですから自給自足できる体制の確立はもちろん、やはり地球に帰るための方策も必要です。過酷な環境と知っていても移住を志願する人は多数いると思いますが、生きるのに精一杯な未開の地の厳しい環境に直面すると、最初の熱意を維持するのはよほど地球に未練がないとかの理由がないと無理ではないでしょうか。

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