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運営者ブログ - ニュースカテゴリのエントリ

タイタン大気中の有機分子の分布に偏り

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-10-29 22:33
タイタン大気中の有機分子の分布に偏り

土星の衛星タイタンといえば大気を持つ衛星として知られていますが、NASAの探査機カッシーニの観測により更に地表には大量の水が存在し表面が氷で覆われていることがわかっています。更にカッシーニの観測により、水の密度は真水よりも高いことから、硫黄、ナトリウム、カリウムを含み、塩分濃度が30%に近い塩水であると推測されています。
また、極寒の地表にはメタンやエタンといった有機分子の液体が存在しており、土星の磁場と太陽光のエネルギーにより大気には多彩な有機分子が作られています。こういった特徴から、初期の地球に近いのではないかとも考えられているそうです。

南米チリの北部、アタカマ砂漠の標高5000メートルに建設されたアルマ望遠鏡は、パラボラアンテナ66台を組み合わせる方式の巨大電波望遠鏡です。これら望遠鏡は可動式で、最大で直径18.5kmの電波望遠鏡に相当する空間分解能を得ることができるとのこと。ミリ波・サブミリ波領域では世界最高水準の分解能を備えています。
このアルマ望遠鏡を使いタイタンの大気に含まれるシアン化水素の異性体HNCとシアノアセチレンの分布を調査。カッシーニの観測により、シアノアセチレンがタイタンの極域上空に集まっていることはわかっていましたが、更に地表からの高度ごとの分布を調べたところ、想定よりも分子の分布に偏りが見られたとのこと。想定では、地上から300km以上の大気では東西方向に秒速60kmの風が吹いており、この風によって分子は均一化されると考えられていたそうです。今回の観測結果は、分子の形成が短いサイクルで発生していることを示しているそうです。異性体は電子がぶつかることで生成されるとのことですので、土星の磁場や太陽光の影響で次々と生成されているのでしょう。有機分子の分布に偏り、というと、何か生命の発生の兆候でも見つかったのかと期待してしまいましたが、全く違ったようです。

土星衛星ミマス、地下に水の海か

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-10-20 23:35
土星衛星ミマス、地下に水の海か

土星の衛星ミマスは、見た目は地球の月のような岩石の衛星ですが、その表面にある直径の1/4程もある巨大なクレーターが特徴的です。 直径400Km程のミマスは土星の衛星の中でも小さい部類にはいり、密度も低いことから岩石と氷で構成されていると考えられています。今回、地下に水の海があるのではないかと考えられる理由として、土星探査機カッシーニの画像を分析した結果、土星を公転する際に周期的な揺れが検出されたためとのことです。

とはいえ、この揺れを説明する理由としては、他に衛星のコアが楕円形の場合にも同様の揺れが生じるとのこと。ミマスに氷が多いなら、この揺れによる摩擦で水が地下に液体で存在する可能性も十分ありそうですね。地下に海が存在する衛星は、土星の衛星ではエンケラドスに確認されており、木星ではエウロパ、ガニメデ、カリストに存在します。木星や土星の輪にも氷が多く存在するそうですので、これら巨大ガス惑星の近辺には水が多いのかもしれませんね。

月の砂に含まれる水は、太陽風で作られていた

月面に存在する「水」というと、南極付近のクレーターの内、太陽光が届かない永久影の内部に存在すると考えられている氷が知られていますが、月の砂にも水分が含まれています。

月の表面の砂に含まれる水分は、当初彗星や隕石の衝突によってもたらされたものと考えられていましたが、砂に含まれる水分の85%は、太陽風が月面に降り注ぐ際に太陽風に含まれる陽子と、月の砂に含まれるケイ酸塩中の酸素の衝突による化学変化によって生まれるとの研究成果が発表されました。
アポロが持ち帰った月の石の研究によって月の石には重水素の比率が高い水が含まれているということがわかっており、これは彗星の成分と近いことから水星由来であると考えられていました。今回の研究では、月面で採取された斜長石のリチウム同位体比率から重水素と水素の比率を計算、実際のサンプルに含まれる水と比較したところ、水の15%は恐らく彗星や隕石により外部からもたらされたもので、残りが太陽風による作用で生成されたものであることがわかったとのことです。
今回の研究は太陽風が吹き付ける月の表面にある岩石の場合ですが、太陽光の当たるところは高温になるのですぐに蒸発しそうな印象ですが、影のエリアで生成されたものが残ったということでしょうか。岩石から水を大量に取り出すのは困難と思われますので、将来の月面基地で利用するには難しそうですね。

アルマ望遠鏡、星間空間に新たな有機分子を検出

宇宙空間に有機分子が存在することは知られています。既に存在が知られている分子はプロピルシアニドといい、今回発見された分子はイソプロピルシアニド。これらは同じ数、同じ種類の原子からできており、その構造が異なるという異性体にあたります。今回発見されたイソプロピルシアニドは、分子における炭素原子の並び方が異なっており、プロピルシアニドは炭素が一直線に並んでいるのに対して枝分かれしているという特徴があるそうです。 発見されたのは、地球が属する天の川銀河の中心の「いて座A」から300光年離れたところある星の形成領域「いて座B2」とのこと。この領域に対するアルマ望遠鏡の観測によりイソプロピルシアニドに由来する電波を検出したもので、その存在量はこれまで知られていたプロピルシアニドの半分に相当し、宇宙には有機分子が豊富に存在することを示すものとして注目されるとのことです。

このような有機分子は、星間空間の微粒子の表面を覆う氷の層や表面で形成されると考えられいます。発見されたイソプロピルシアニドの分子の構造がこれまで知られた有機分子と異なっていることから、星間空間内で新たな分子が作られているということで、更にはタンパク質の元となるアミノ酸が作られる可能性も高いのではないかということで注目されています。

地球に生命が生まれたのは、以前は原始地球の海の中でアミノ酸が形成されたと考えられていました、最近では宇宙が起源ではないかと考えられています。その宇宙空間なら、惑星の形成のよりも遥かに長い時間をかけることができますので、アミノ酸が作られる可能性も高そうですね。

土星のF環で何かが起こっている?

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-9-22 17:46
土星のF環で何かが起こっている?

土星の輪の一番外側の輪であるF環について、探査機カッシーニいよる最近の画像と30年前のボイジャーの画像を比べたところ、30年前に写っていた複数の明るい点がなくなっているとのこと。このF環の明るい点は、F環を構成する小さなデブリ同士が衝突して消滅する際に光っているものと考えられるそうで、数時間から数日の間に現れたり消えたりすることもわかったそうです。土星の重力によって輪のデブリがかき回されて衝突し、より小さな破片を生み出しているようです。

ところで、このことに気づいたのは、地球外知的生命体探査(SETI)研究所の研究者とのことです。これだけ聞くと、明るい点が亡くなった原因に何か地球外の知的生命体が関わっていたかのように思いますが、特に関連はないようです。SETIの人は、アレシボ天文台の観測データの分析をしているのかと思っていましたが、それ以外にも研究しているんですね。太陽系内の惑星も調査対象というのは、何か痕跡を探しているのでしょうか。

プレアデス星団までの距離、ついに特定

「すばる」としても知られるプレアデス星団までの距離が特定されたとのことです。これまでは430光年先とされていましたが、今回の研究発表によると、443光年とのこと。距離の測定には世界各地の電波望遠鏡を連携し、地球の公転の両端で星団内の複数の恒星をそれぞれ正確に測定することで割り出したそうです。
430光年と443光年ではそれほど大きな差がないように思いますが、この星団に含まれる恒星群の物理的特性、恒星の形成と進化に関する整合性をとるうえで大きな違いとのこと。この星団は、1億歳程の若い星が15光年程の間に500個以上集まっているそうです。15光年というとかなり広いですが、地球の場合だと地球から15光年以内の星は40個程ですから10倍以上の星があることになりますね。均等に散らばっているとすると、だいたい2光年くらいの距離に各星が存在することになりますか。

暗い星もあるでしょうし10光年も離れると結構暗くなりますので、この星団に存在する惑星から夜空を見上げると、恐らく木星なみに明るい星が数十個見られるんじゃないかと思います。この星団には星間ガスもありますので、この影響で夜空は地球の場合よりも明るいかも知れませんね。

初期宇宙に巨大な恒星? 痕跡見つかる

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-8-25 22:57
初期宇宙に巨大な恒星? 痕跡見つかる

宇宙誕生後約4億年で初めての恒星が生まれたとされています。初期宇宙に誕生した第一世代の恒星の中には、太陽の数百倍の質量を持つものがあると考えられてきましたが、この度その痕跡が見つかったとのことです。
第一世代の恒星が産まれるまでは暗黒時代と呼ばれており、この時代、水素、ヘリウム、ダークマター(暗黒物質)が混ざった状態の霧のようなものが宇宙空間を満たしており、暗黒物質の塊が崩壊を始めたことでガスの密度の濃い箇所が生まれ、これらが恒星を形成することになります。第一世代の恒星の多くは太陽の数十倍程度で一部に数百倍のものがあったと考えられており、これら初期の恒星によって宇宙の暗黒時代に存在した霧が消滅します。

大型の恒星の寿命は短く数百万年で超新星爆発を起こし、その爆発は近傍の銀河を崩壊させるほどのものだったとのこと。この爆発に酔って撒き散らされた物質によって、第二世代のより小型の恒星が形成されていきます。第二世代の恒星は現在も残っており、研究の手がかりになっています。

第一世代の恒星の痕跡を探すにあたり、第二世代の恒星の中から、小さくて古く金属の含有量の少ないものに注目。これら恒星は第一世代の恒星の爆発によって撒き散らされた物質から成り立っており、その物質の量から第一世代の恒星の質量を推定できるとのこと。今回の発表された太陽の数百倍の恒星というのは、鉄を高濃度に含む恒星の調査によるもので、通常なら金属を多く含む時点で調査対象から外されるところをだったものを更に分析し、得られた結果を様々な超新星爆発で放出される化学物質のシミュレーションと比較。その結果、最も近いモデルは今日見られる超新星爆発よりも百倍も強力な「対不安定型超新星」というものになるとのこと。恒星が「対不安定型超新星」になり大量の鉄を生成するには、太陽の140倍の質量が必要、ということのようです。
素人目には、恒星が超新星爆発すると塵が四方八方に散らばるわけですから、その塵が次の恒星を構成するにしても特定の恒星の成分はごく一部にしかならいように思うのですが。いくつかのこの研究に関する記事を読みましたが、この辺りはなかなか難しくてよくわかりませんでした。

NASA探査機の採取サンプルに太陽系外由来とみられる微粒子

1999年2月に打ち上げられたNASAの彗星探査機「スターダスト」は、2004年にウィルド彗星のコマに突入し彗星物質を採取、他にも2000年、2002年に星間塵の採取を行い、2006年1月にサンプル採取器を地球に投下。その試料の中から、太陽系外由来と見られる7個の微粒子、星間塵が見つかったそうです。

とはいえ、まだ分析途中で断定されたというわけではないようです。含まれる硫黄化合物は星間塵にはありえないという意見もあるそうです。見つかった微粒子はそれぞれ異なるサイズや組成で、大きめのものは雪のようにフワフワとしたものが多いとのこと。大き目とはいっても数十µm(マイクロメートル)とのことですが、太陽風があっても太陽系内に入ってこれるものなんですね。星間塵は超新星爆発によって生成されると考えられていますので、その爆発の勢いで加速されているため、太陽風に吹き飛ばされることなく到達するということなのでしょう。スターダストでは塵を捕獲するためにエアロゲルを使いましたが、星間塵と思われる微粒子はこのゲルに飛び込んだ軌跡から、太陽系内のものよりも高速だったことがわかるとのこと。

それにしても、マイクロメートル単位に粒子が恒星間空間から来たものかも知れないと判断できるというのはすごいですね。1機の探査機で7個の候補が見つかるくらいですがから、太陽系内には大量の恒星間物質が飛び回っているのかもしれないですね。

アルマ望遠鏡、冥王星の精密位置測定でNASAニューホライズンズ探査機をナビゲート

冥王星に向かっているNASAの探査機「ニューホライズンズ」の軌道修正に活かすため、アルマ望遠鏡による冥王星とその衛星カロンの位置が精密に測定されました。
準惑星の冥王星の公転周期は247.74年。1930年に人類が発見してからまだ1/3程しか公転していないこともあり、探査機の観測を確実にするため冥王星の位置と軌道の測定が行われています。それでも、観測の結果と実際の冥王星の位置には数千キロの誤差がでる可能性があるとのことです。位置の特定には、地球からの見かけの位置が殆ど変わらない、100億光年以上離れたクェーサーが利用されます。クェーサーは可視光では非常に暗いものの、電波(ミリ波)を観測できるアルマ望遠鏡であれば精密な観測可能です。観測チームは、冥王星の初観測を2013年11月に実施し、更に2014年4月、7月にそれぞれ観測を行うことで軌道をより精密に測定。ニューホライズンは冥王星の観測の後、エッジワース・カイパーベルトに向かうため、軌道修正に使う燃料の節約に役立つことが期待されます。

冥王星には衛星「カロン」がありますが、カロンといえばその大きなサイズが知られています。冥王星の直径2,306kmに対しカロンはその半分以上の1,205kmもあり、質量の差が小さいことからお互いの軌道の重心が惑星の外にあることから、二重惑星であると解釈もできるとのこと。また、冥王星とカロンは過去に海王星の衛星だったという説がありましたが、今日では海王星を公転していたことはなかったと広く受け入れられているそうです。

冥王星はメタンに覆われているのに対し、赤外線スペクトル観測によるとカロンは氷に覆われているそうです。ニューホライズンが冥王星に接近するのは2015年7月。ニューホライズンのサイトでは、既に今の位置から撮影された冥王星とカロンの写真も公開されています。2015年の接近が楽しみで仕方がないですね。

「かくして冥王星は降格された」ニール・ドグラース・タイソン

今も温かい月の中〜月マントル最深部における潮汐加熱〜

確か以前は、月の内部は冷えて固まっていると予想されていたように思いますが、最近の研究でそうではないということがわかってきたようです。
日本の探査機「かぐや」による精密な測量と理論的な計算による見積との比較によって、月は地球の引力による潮汐で変形を起こしており、この変形を詳しく調べることで月の内部の構造な状態を知ることができるのだそうです。この変形を詳細に調べたところ、これまでに考えられていた月の内部構造では、探査によって得られた月の変形の仕方を説明できないため、どのような内部構造であれば実際の変形を説明できるのか調査したとのこと。観測データは、「かぐや」はもちろんアプロ計画で得られた月震の観測データに基づく解析によると、おおまかには金属でできた核と岩石でできたマントルでできていますが、このマントルの最下部に柔らかい層があると仮定すれば、観測されている月の変形の説明できるとしています。

また、潮汐による変形により発熱していることはこれまでも考えられていましたが、今回の研究によりこの発熱は柔らかい層において生じていることが明らかになったとのことです。この発熱に酔って柔らかい層自体が成り立っているとも考えられ、この熱に酔って核も暖められていると予想されるとのこと。これら研究を元に、更に月の生い立ち等、月と地球の関係に対する理解が深まっていくことでしょう。

シューメーカー・レヴィ彗星の木星衝突から20年

木星に水星が衝突、というか墜落するのが観測されてから20年が経ちました。当時のニュースを覚えていますが、確か木星に落下する瞬間は地球の方を向いていない側で観測できなかったものの、木星の自転によりくっきりと残った痕跡が現れたというものだったと記憶しています。シューメーカー・レヴィ彗星という名前が付いているくらいですから、衝突前にすでに発見され観測されており、更に木星に落下することが予想されていたようですね。多くの望遠鏡が木星に向けられる中、1994年7月16日から22日にかけて木星の重力による潮汐作用で分裂した彗星が次々と落下していくという劇的な天体ショーだったわけですが、当時は衝突の影響はそれほど目立たないと予想されていたようです。それがアマチュアの天体望遠鏡でもわかるくらいの大きさの衝突痕を残し、更に数週間も残ったのですから当時の天文ファンにとっては大事件です。木星や土星には模様がありますが、衝突によって色の異なる大気が現れるということは、高度によって色の異なるガスの層ができているんでしょうか。

木星への彗星の衝突が観測されたことで、木星の大きな重力が太陽系内部に向かう小天体をブロックする役割を果たしていることを象徴するとの評価があり、実際そうなんだとは思いますが、この広い太陽系で木星や土星の重力圏以外のエリアのほうがずっと広く、ブロックは極めて限定的に思えるのですがどうなんでしょうね。
いずれにしても、彗星等の小天体が惑星に衝突するという出来事により、地球近傍天体の監視が強化されることになったことは良いことですね。かなり近づいてから発見される天体も多いですが、それでも何らかの対策ができるようにはなりました。

宇宙線の“ホットスポット”を発見

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-7-13 22:59
宇宙線の“ホットスポット”を発見

1世紀程前、気球を用いた放射線の計測実験により宇宙から降り注ぐ宇宙線が発見されました。地球に飛来する宇宙線の大部分は太陽や銀河系内の超新星を起源としていますが、今回アメリカ、ユタ州の観測装置により、最も強力な宇宙線の発生源が北斗七星の方向に“ホットスポット”と思われる区画を発見したとのことです。区画といってもかなり広く、満月の80倍に相当するエリアだそうです。このエリアには大質量のブラックホールや星の大爆発等、高エネルギー宇宙線の発生源が多いと見られるとのこと。

このように広い範囲となるのは、宇宙線の観測が大気上層の空気の分子と宇宙線が衝突した際に生じる閃光や二次粒子のシャワーを観測する際、この閃光の軌道が磁場によって曲げられるため正確に発生源の特定ができず、可能性のある範囲を全て含まれるエリアとしたためとのことです。それでも、ある程度の範囲が特定できたことで、今後その捜索範囲を狭めることができることでしょう。

ブラックホールは超新星爆発は銀河のあちこちにありそうですので、ホットスポットのようなものがあるようには思えないのですが、今回の発表は地球に降り注ぐ宇宙線の多くが来る方向に発生源が集まっているということのようですね。

原始の水星、軽い接触で表面が削られた可能性

地球の核は、総質量に対し約32%の鉄でできているのに対し、水星の核は総質量に対して65%もの割合を占めています。この理由として、これまで原始水星への大規模な天体の衝突により外側のマントルが剥ぎ取られたと考えられていました。ただ、この説の問題として、衝突によって惑星の表面が失われたのであれば揮発物質が同時に失われるはずなのにもかかわらず、水星を観測すると揮発物質が多く存在しており、この点が矛盾しているとされていました。

今回、米アリゾナ州立大学の研究により、衝撃の少ない接触の場合、数回の接触を経てマントルの半分が失われても揮発物質は十分な量が残る可能性があるとの説が発表されました。太陽系内の内惑星、火星より太陽に近い軌道を巡る惑星は20個程度の小天体が合体しながら成長し、地球、金星、火星、水星になったと考えられています。初期の太陽系では多数の小天体が衝突を繰り返し、その衝突の仕方も様々で、地球の場合は大型天体の衝突で月が生まれたとされますが、衝突の角度や質量に酔っては惑星の表面を削る場合もあるのですね。

原始重力波観測の成果に「待った」の声

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-6-29 22:34
原始重力波観測の成果に「待った」の声

今年2014年3月に、宇宙誕生直後の「インフレーション」の直接的な裏付けが得られたとのニュースが流れました。これは、南極に設置された望遠鏡をつかって行われている「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」の観測によるものでした。宇宙誕生から10^-30秒以内(1兆分の1兆分の1兆分の1秒)に発生した「インフレーション」により最初から存在した密度のムラが広がり、宇宙誕生から38万年後に放たれたCMBによって現在の空の全方向で観測されます。このCMBに、Bモード偏光と呼ばれるインフレーション由来の原始重力波が時空を歪めることで生じるとされるパターンが見出された、とのことでした。

この発表に対し、2014年6月に米国物理学会の学会誌「Physical Review Letters」には、研究結果と共に「銀河の塵の影響による可能性が排除しきれていない」との注意書きが追記されたとのことです。この追記によると、CMBの「Bモード偏光」が観測されたことは確かなものの、偏光の原因は原始重力波だけではなく、重力レンズ効果、銀河の塵による効果によってもCMBは変更されるため、もっと検証が必要であるということのようです。また、天文衛星「プランク」の実験グループが発表した原始重力波の値との違いもあるようです。現在プランクによって「銀河の塵による効果」を詳しく測定中とのことで、このデータは今年2014年10月に発表されるとのことです。

仮にこの発表が正しくなかったとしても、宇宙が膨張しているという理論が間違いということにはならないでしょうが、10月の発表を期待して待ちましょう。

月の裏側高地問題を解決

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-6-18 0:09
月の裏側高地問題を解決

月は、自転周期と地球を周回する公転周期がほぼ一致しているので、常に地球に対して同じ面を向けています。そのため、地球から月の裏側を見ることはできませんが、1959年に旧ソ連の探査機「ルナ3号」によって初めて月の裏側の画像が捉えられました。月の裏側の様子は地球から見える表側と大きく異なり、「海」が存在しません。水星のように全体がクレーターで覆われています。「月の裏側高地問題」と呼ばれるもので、なぜこのような違いがあるのか長年研究されてきました。

月の起源については、「巨大衝突説(ジャイアント・インパクト)」、地球が形成されて間もない頃に大きな天体が地球に衝突し、その破片から月が生まれたという説が支持されています。できた頃の月は今よりもずっと地球に近い軌道を巡っていたと考えられており、潮汐力によりその時点から一方の面を地球に向けていたと考えられており、まだ熱い地球に向いていた面が地球からの放射熱を浴びたことから表側は溶けたままの状態が続き、裏はゆっくりと冷えていったとのこと。
蒸発していたアルミニウムやカルシウムが月の裏側で冷えて降り積もって凝縮し、それから数百万年を経て月のマントル内で珪酸塩と結合し斜長石を形成、これが表面に移動し地殻が形成されたそうです。更に、月に衝突する隕石が表側では地殻まで達して大量の玄武岩質溶岩を放出し、「海」を形成したと考えられています。

月は衛星にしてはサイズが大きいといわれます。確かに太陽系で主星に対してこれ程大きな衛星を持つ惑星はありません。これがどの程度珍しいものなのかは他の星系の衛星事情がわからないのでなんとも言えませんが、ハビタブルゾーンに位置する惑星でジャイアント・インパクトのような要因で大きな衛星が作られ、更に生命が誕生するなんてことがこの宇宙でありふれたことなら、それはそれですごいことですね。

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