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運営者ブログ - 最新エントリー

人工衛星落下

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admin_mb 2011-9-24 9:30
米国の大気観測衛星UARSが、米東部時間2011年9月23日深夜から24日未明にも大気に突入するということで、その破片が人に当たる確率が約3200分の1と発表されていました。意外に高い確率に思えますが、地球の総人口で割ると自分に当たる確率は22兆分の1とのこと。全人口で割るのはなんか違う気もしますが、落下する地域が不明な時点ではそのような計算になりますか。
実際に落下する際は多数の破片が広い地域に落下しそうですので、落下エリアが陸地になると3200分の1くらいの確率で被害が出そうな気がします。過去には人にあたったこともあるようですし。

さて、SFの世界で人工衛星や宇宙線の墜落は珍しくありません。「天使墜落」という小説では、氷河期となった時代、科学技術が忌避される社会で、SFも科学と同類とみなされ迫害されているとう世の中が舞台となっています。地上の政府と対立する軌道上の宇宙ステーションから宇宙線が落下するという事件が発生。コードネームは「天使」。科学技術を憎悪する政府に捕まったら大変と、地下活動を続けるSFファンたちが大活躍します。大真面目にふざけているストーリーと言ったところです。
科学技術に対する視線が厳しくなっていような気がする昨今ですが、宇宙開発への夢にあふれるSFオタク達の活躍に共感できる物語です。

「天使墜落」ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネル&マイクル・フリン
天使墜落 (上) (創元SF文庫)
天使墜落 (下) (創元SF文庫)

巨大太陽嵐で人工衛星に故障の危険性

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admin_mb 2011-9-22 0:10
巨大太陽嵐で人工衛星に故障の危険性

太陽からは常に大量のプラズマが吹き出しており、太陽フレアが発生すると更に高速の太陽風が放出されます。最近発表されたコンピュータモデルによると、非常に強い太陽嵐が地球に降り注いだ場合、光速近くまで加速された高エネルギー電子が地球の大気に氾濫する可能性があり、これにより低起動の人工衛星の運用に支障を与える可能性があるとのことです。直ちに落下するというものではないものの、運用時間を一桁縮める可能性があるそうです。

これまでも、太陽嵐によって人工衛星に問題が発生することはありましたが、通常の太陽嵐の場合は数日で収まります。巨大な太陽嵐の場合、太陽から放出された電子が地球のバンアレン帯の内帯に侵入すると、電磁波との相互作用により急加速するというのが今回のコンピュータモデルによって導きだされたとのこと。バンアレン帯はドーナツ状で地球を取り巻く荷電粒子の二重の輪を構成しています。地球を太陽風から守っている電磁圏の一部であるプラズマ圏は電離した期待であるプラウザで満たされています。このすぐ外側の空間で発生するコーラス波と呼ばれる電磁波があり、通常はプラズマ圏の密度が高く相互作用することはないのですが、巨大な太陽嵐が発生するとプラズマ圏が侵食されて薄くなり、これによってコーラス波と電子の相互作用が発生し電子が加速するとのこと。モデルの予測では、バンアレン帯内帯の電子密度数年で通常に戻ると考えれるとのことですが、その間この高度を周回する人工衛星は高エネルギーの電子の衝突の危険にさらされる事になります。

さて、太陽風というと思い出すのは1964年に発表されたクラークの「太陽からの風」ですね。「メデューサとの出会い」にも収録されていました。太陽風を受けて推進する宇宙船によるレースの物語で、この小説によって太陽風による推進システムが広く知られるようになりました。

「太陽からの風」アーサー・C・クラーク

“太陽”が2つある土星型の系外惑星

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admin_mb 2011-9-21 0:47
“太陽”が2つある土星型の系外惑星

はくちょう座の方向200光年先に新たな系外惑星が発見されたそうです。系外惑星はこれまで多数発見されていますが、今回見つかったのは、”太陽"が2つあるという点で特徴的です。恒星の質量はそれぞれ、太陽の20%と69%で共通の重心を周回しているようです。太陽が2つあるというとスターウォーズのタトゥイーンを思い出しますが、今回見つかった惑星は巨大ガス惑星とのことです。太陽は2つありますが、惑星の軌道は円に近く229日の周期で公転しているそうです。連星自体は銀河系内に200万個はくだらないそうですので、ハビタブルゾーンに固体表面のある惑星が周回する星系もあるかもしれませんね。

連星はSFの世界でも時折出てくるとは思いますが、ジェイムスン教授シリーズの「二重太陽系死の呼び声」くらいしか思い当たりません。確かアシモフの「夜来たる」は二重どころかもっと太陽が多かったように思いますし、連星のアルファ・ケンタウリが舞台になっているものもそこそこありそうですが読んだ記憶がありません。そういえば、アシモフの「ファウンデーション」シリーズの最終巻あたりで、地球を探す中でアルファ・ケンタウリの惑星を訪れるというシーンが確かありましたね。

「二重太陽系死の呼び声」ニール・R・ジョーンズ
二重太陽系死の呼び声 (ハヤカワ文庫SF)

米ルイジアナ大学、NASAとの協力でDNA分析の無重力実験

国際宇宙ステーション(ISS)のような地球の大気圏外では、太陽からの宇宙線が大気や磁場によって遮られることなく降り注ぎます。高度約400kmの上空を周回するISSでは船壁や遮蔽材によってある程度の放射線は遮られるものの、地上に比べると宇宙放射線による被曝は多くなります。地上での日常生活における被曝線量は年間約2.4ミリシーベルトとされますが、ISS滞在中は1日あたり1ミリシーベルトですので、1日で地上の半年分に近い放射線量ということになります。
そのような環境がDNAにどのような影響を与えているかを、ISSの無重力環境で分析できる技術を目指し、米ルイジアナ大学がNASAの協力で実験を行うそうです。宇宙飛行士の健康を管理する装置の開発に応用されれるもので、航空機を利用した無重力実験で良い結果が出ればISSに運ばれ、実験に使用される予定とのこと。

SFの世界で宇宙が舞台となるものは数多くあります。宇宙線に関するエピソードも時折登場しますが、最近の小説で印象に残っているものというと「地球移動作戦」で、地球に壊滅的な被害をもたらす天体シーヴェルの調査に向かった調査隊の運命でしょうか。惑星規模の破局物はSFの得意技ですが、この小説は2009年に発行されたものだけあっていまどきのネット事情が盛り込まれていて、今の延長の未来が舞台という感じを強く受けます。何というか、SF好きからすると、この小説のような科学に希望を託し、諦めない信念と勇気の物語にはやはり惹かれるところがあります。

「地球移動作戦」山本弘

ロシアの無人宇宙貨物船、打ち上げ失敗

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admin_mb 2011-8-26 11:51
ロシアの無人宇宙貨物船、打ち上げ失敗

国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶための無人宇宙船を搭載したロケットの打ち上げが失敗しました。
現在ISSには古川さんら6名が滞在中で、内3名は2011年9月8日に帰還が予定されているとのことですが、今回の事故で9月21日の交代要員3名の打上げは延期される見込みのため、3名の帰還も延期されるとみられるそうです。

次回の物資輸送は10月26日が予定されており、それまでに事故の原因が究明される必要があります。今回運搬予定の3トンの物資が失われたことになりますが、備蓄されている食料や水は6名でも1年間生活できるだけあり、またISSを安定軌道にとどまらせるための推進剤も1年以上持つとのこと。

ソユーズというと失敗が少ないロケットというイメージですが、今回でロシアの打ち上げ失敗は過去9ヶ月で5回目とのことでちょっと心配です。

SFの世界ではロケットというより宇宙船がお馴染みですが、ロケットには何というか宇宙への夢が感じられます。そんな宇宙への夢、宇宙開発がテーマの短篇集がSFマガジン創刊50周年記念アンソロジーとして出ています。このシリーズは全3巻あるのですが、どれも素晴らしい短編集でおすすめです。

「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー

水星探査機メッセンジャーが撮影した水星のクレーター

3年あまり前からスイングバイを繰り返し、今年2011年3月に水星の周回軌道に乗った水星探査機メッセンジャーが撮影したクレーターの写真が公開されました。撮影されたのは、直径120kmの水星北半球にある小規模なクレーター。最終的には地表の90%の高解像度の地図が作成されるとのこと。
水星というと地球の月のようなクレーターで覆われた惑星で、自転周期が公転周期と同じで常に片方を太陽に向けていることが知られています。月のような地形となると、火星や金星の探査に比べると地味な感じがしますが、新たな発見があるといいですね。

さて、SFの世界でも水星を舞台としたものは少ないですね。キャプテンフューチャーのような古き良き時代のSFでは水星人がいて、太陽に面する部分と日陰の境目、トワイライトゾーンに住んでいるということになっていました。他に水星が出てくるものというと、「太陽の簒奪者」の中で、突如水星から鉱物資源が吹き上げられ太陽を取り巻く巨大なリングを形成するというエピソードがあります。リングによって日射量が激減、破滅の危機に瀕する人類。何者が何の目的でこのようなリングを作ったのか。ファースコンタクトものでなかなかの名作です。ベストSF2002国内編で一位にもなってます。

「太陽の簒奪者」野尻抱介

多元宇宙論が検証可能に?

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admin_mb 2011-8-13 11:37
多元宇宙論が検証可能に?

私たちが存在するこの宇宙は、マルチバース(多元宇宙)の一つにすぎないという多元宇宙論は以前から提唱されていますが、これを証明する方法はないと思われていましたが、他の宇宙とぶつかった際の“傷"を見つける方法を国際物理学チームが考案したそうです。

宇宙の形は完全な丸ではなく円盤状だが、ビーチボールをぶつけた時のように一時的に平坦化しているに過ぎないそうで、更にマルチバースは高速で膨張しているため、各宇宙は誕生直後に遥か遠くに引き離された可能性が高いとのこと。そのため、宇宙同士が衝突したのは宇宙の誕生初期だという。
宇宙の誕生直後の宇宙マイクロ波背景放射(CMB)を調べることができるようになったことから、多元宇宙が誕生後に互いにぶつかり合った証拠をCMBのなめらかな模様の中から探すためのアルゴリズムを開発したということのようです。このアルゴリズムにより、15の興味深い特徴が見つかり、内4つは多元宇宙の証拠としても有力と思われたそうですが、統計分析の結果は可能性止まりだという。

さて、多元宇宙はSFの世界でもお馴染みです。「高い城の男」あたりもある意味多元宇宙ものですかね。ソウヤーも多元宇宙、パラレルワールド物を書いていてネアンデルタール・パララックスというシリーズ物が出ています。これはクロマニョンが絶滅しネアンデルタールが進化した世界が存在しており、量子コンピュータの実験の際の事故によってネアンデルタール人の物理学者がこちらの世界に転送されてきた、というところから始まる話です。
正直なところ私的にはいまいちなシリーズです。なんというかネアンデルタールを理想化しすぎで我々人類を卑下しすぎなのと、現在わかっているネアンデルタールの特徴が現在まで残っているというのも違和感があります。

「ホミニッド -原人-」ロバート・J・ソウヤー


探査機ジュノー、木星誕生の謎に挑む

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admin_mb 2011-8-6 23:52
探査機ジュノー、木星誕生の謎に挑む

NASAの木星探査機ジュノーが打ち上げられました。2016年に木星に到着し、木星の雲まで5000キロまで接近する極軌道に乗る予定とのことで、とても楽しみです。ジュノーの調査機関は1年で、木星大気の深層部や極付近に出現する巨大オーロラ発生源のデータ収集等を通して、木星誕生の謎に迫るそうです。

ミッションが終了した後、ジュノーは周回軌道を離脱し木星大気に突入し燃え尽きる予定で、これは、周回軌道に放置することで木星の衛星に衝突する可能性があり、特に生命の存在の可能性があるとされているエウロパ等に悪影響を与える事態を避けるためとのこと。エウロパといえば氷で覆われた衛星で、氷の下には液体の海があるのではないかと考えられていいます。この氷の下に探査機を送るという計画もあったかと思いますが、いつになるのでしょうね。

さて、木星もSFの舞台としてはメジャーな惑星です。最も有名なのは映画版の「2001年宇宙の旅」と、「2010年」でしょうか。「さよならジュピター」も木星が舞台ですね。以前紹介したクラークの短篇集「メデューサとの出会い」にも木星が登場します。木星そのものが舞台となる場合、太陽化や木星大気圏に住む生物等の古典的なSFのアイデアを用いたものが主でしょうか。木星の衛星だとガニメデを舞台とするものが幾つかあります。ホーガンの「星を継ぐもの」のシリーズが最も有名ですが、他にベンフォードの「アレフの彼方」もガニメデが舞台です。「アレフの彼方」ではテラフォーミングが進められているガニメデが舞台で、はるかな過去に異星人が残したロボットとも生物ともつかない謎の存在“アレフ"との戦いの物語です。

「アレフの彼方」グレゴリー・ベンフォード
アレフの彼方 (ハヤカワ文庫 SF (591))

地球のトロヤ群小惑星、初めて見つかる

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admin_mb 2011-7-31 23:34
地球のトロヤ群小惑星、初めて見つかる

地球と同じ公転起動で太陽の周りを回っている小惑星群が見つかったとのことです。
惑星の公転軌道の前方または後方にある、惑星と太陽の重力的に安定した位置にある小惑星群はトロヤ群小惑星と呼ばれ、これまで木星、海王星、火星の軌道上で見つかっており、今回地球の軌道上で初めて発見されたものです。見つかった小惑星は直径約300メートルで、地球の約8000万キロ前方に位置するそうです。

このトロヤ群の位置は、ラグランジュ点として知られる5つのポイントの内、L4に相当する場所に位置します。ラグランジュ点というと、SFの世界ではスペースコロニーを配置する場所として知られます。スペースコロニーはSFの世界でもいくつか登場します。どちらかというと、ガンダムの影響か日本のアニメやSF小説に多いような気もします。

海外のSFでスペースコロニーが登場するものというとクラークの「宇宙島に行く少年」や「星海への跳躍」あたりでしょうか。後者は、唐突に始まった地球での全面戦争により、地球から孤立したスペースコロニーを舞台としたものです。スペースコロニーの自立には地球からの補給がまだ不可欠という段階にあって、唯一食料を自給できるフィリピンのコロニーを舞台に、アメリカの工業コロニーやその他コロニーを結びつけるために奮闘するという物語です。読んだのはかなり前なので、なぜ宇宙船がないのかは忘れたのですが、宇宙船なしでコロニー間をどうやって移動するかというあたりが面白かった記憶がありますが、政治的な駆け引きや学者、官僚の暴走といったあたりがいまいちだったような気もします。

「星海への跳躍」ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン

次期火星探査車、ゲイル・クレーターへ

早ければ2011年11月下旬に打ち上げられるNASAの次期火星探査車マーズ・サイエンス・ラボラトリは、ゲイル・クレーターに着陸することが決まったそうです。
ゲイル・クレーター内には、何億年にもわたって積み重なった堆積物の層が豊富にあると考えられる高さ5000メートルの山があり、探査車はこの山のふもと付近に着陸予定とのこと。この岩石の層には火星の水の歴史を解き明かす鍵を握っていると考えられることから、生命の痕跡が発見される可能性もありそうです。

さて、火星はSFの世界でもお馴染みで様々な小説が書かれています。やはり太陽系の中では距離も環境も地球に最も近く、身近な感じが惹かれるのでしょうか。イアン・マクドナルドの「火星夜想曲」は、火星の砂漠の真ん中に街が誕生し、半世紀後に跡形もなく消え去るまでの物語です。SF版「100年の孤独」とする書評もあったようです。97年にハヤカワから出た本ですので詳しい内容は覚えていないのですが、火星物でよかった小説として思い出す小説の一冊です。

「火星夜想曲」イアン・マクドナルド

冥王星で第4の衛星を発見

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admin_mb 2011-7-24 13:52
冥王星で第4の衛星を発見

ハッブル宇宙望遠鏡が、準惑星冥王星を周回する第4の衛生を発見したそうです。
冥王星最大の衛星カロンの直径1043キロに対し、今回発見された衛星の直径は13〜34キロと推測されており、非常に小さいようです。冥王星の直径は2400キロ程度ですので、カロンの大きさが際立っています。冥王星とカロンの二重惑星といってもよいくらいです。
さて、冥王星には現在探査機ニューホライズンが向かっており、2015年の接近が予定されていますので、更に衛星が発見されるかもしれませんね。楽しみです。

さて、SFで冥王星が出てくるものというと、以前紹介した「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」の他に、ラリー・ニーヴンの「プタヴの世界」で言及されています。ニーヴンのノウンスペースシリーズというシリーズでは、冥王星はかつて海王星の衛星の一つで、ある事件により現在の起動に移ったとされています。ノウンスペースシリーズ、なんか懐かしいですね。


探査機ドーン、小惑星ベスタに到着

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admin_mb 2011-7-17 9:34
探査機ドーン、小惑星ベスタに到着

NASAの無人探査機ドーンが、約4年の旅を終えて火星と木星軌道の間にある小惑星帯にある小惑星ベスタの周回軌道に入るそうです。 ベスタは直径約500キロ、既知の小惑星の中では二番目に大きく、探査機はベスタの周回軌道に投入され観測が行われます。なお、小惑星帯の最大の天体は準惑星セレス(ケレスともいう)で、直径約950キロ。ドーンは、2012年にベスタの調査を終え、セレスに向かう予定です。これらはどちらも小惑星帯にあるとはいえ、地質学的には大きく異なると考えられています。今回ドーンが軌道に投入されるベスタは岩だらけの天体ですが、セレスはほぼ球形で岩石の核を持つと考えられており、ごくわずかな大気の存在や薄い地殻と核の間に氷のマントルがあるというモデルも提示されているそうです。

小惑星帯というと、スターウォーズ帝国の逆襲でミレニアム・ファルコン号がTIEファイターの追撃を受けて小惑星帯を逃げるというシーンのように小惑星が密集しているというイメージがありますが、実際にはすかすかな空間のようですね。
さて、火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯はSFの世界でも時々出てきます。キャプテンフューチャーシリーズの「時のロスト・ワールド」では、かつてそこにあった惑星カタインを舞台にしていましたが、かつて惑星だったという考え方はやはり魅力的です。現実的には、先に紹介したセレスの質量が小惑星帯の天体の総質量の1/4から1/3を占めるくらいの量とのことですので、惑星の残骸というには量が少ないのですが。

「透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド」エドモンド・ハミルトン


恐竜絶滅の「いん石衝突説」さらに白熱?エール大が新たな証拠を提示

恐竜絶滅の原因としては、6500万年前に現在のメキシコ、ユカタン半島近辺に隕石が落下したことにより、大量の塵が地球規模で拡散、太陽光をさえぎることになったことにより地球が寒冷化、これによって生態系が大きく変化したことによるものということがよく知られています。今回、この仮説を支持する新たな証拠が発表されたそうです。

隕石衝突が恐竜絶滅の原因ではないとする説では、巨大隕石の衝突が白亜紀と第三紀の境界で起きたということには異議を唱えていないそうですが、この隕石の衝突より遥か前に恐竜は絶滅していたと主張しているそうです。その根拠として、恐竜化石の宝庫である米モンタナ州東部、ノースダコタ州西部の堆積層では、白亜紀・第三紀の境界より以前の深さ3メートルの層から化石が一つも見つかっていない点があげられています。これは「3メートルギャップ」として知られており、この説によると恐竜は気候変動等による海水位の変化によって徐々に数が減り、隕石衝突より遥か昔に絶滅していたことを示しているということです。

今回、米エール大学の研究チームは、この説が正しくないことを示す確かな証拠を発見したとする論文を「バイオロジー・レター」に発表したそうです。発表によると、モンタナ州南東部のヘルクリークで角竜類の全長45センチの角の化石が白亜紀・第三紀境界の堆積層の最下部より13センチ下で発見されたそうで、この化石の発見によって、白亜紀の3メートルギャップは存在しないことが証明されるとのこと。ただし、隕石衝突後に堆積した1メートル25センチの層で化石が1つも見つかっていないのは不思議、としているとのこと。

さて、恐竜が出てくるSFというとタイムマシン物を想像しますが、スタートレックヴォイジャーに地球の恐竜が絶滅の前に高度な文明を持つまでに進化し、地球の危機の前に地球を脱出して他の星に移住しており、その子孫に出会うというエピソードがありました。その話では、自分たちの起源が今住んでいる惑星ではないという説が異端視されていることになっていました。
他に、ソウヤーの「占星師アフサンの遠見鏡」という小説では、知性を持つ恐竜の世界を舞台にした小説があります。地球とはまったく関係のない世界で、中世ヨーロッパ的な文明社会を舞台としたものですが、宮廷星占師の弟子である主人公が、最新の発明品である遠見鏡、望遠鏡ですね、で観測をはじめ、新たな世界観が開けてくるという物語で、なかなかの名作です。

「占星師アフサンの遠見鏡」ロバート・J・ソウヤー

へびつかい座ロー星で過酸化水素を発見

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admin_mb 2011-7-11 23:19
へびつかい座ロー星で過酸化水素を発見

地球から約400光年の距離にある、へびつかい座のロー星(Rho Ophiuchi)のある領域から、星間空間では初となる過酸化水素がわずかに発見されたそうです。過酸化水素は、特定の環境下で水素と反応して水を生成することから、地球の水の起源を解明する手がかりになるとのことです。この発見は、口径12メートルのサブミリ波望遠鏡、アタカマ・パスファインダー実験機(APEX)で観測に成功したヨーロッパ南天天文台(ESO)が、2011年7月6日に発表したものです。

さて、へびつかい座というとSFの世界では「へびつかい座ホットライン」という小説を思い出します。作者のインタービュー記事によると、へびつかい座にした理由は特になかったようですが。
この小説では、外宇宙から進入してきた物体によって地球が破壊され、人類は太陽系内の惑星を含め8つの植民地で独自の文明を築いている、という世界が舞台となっています。この太陽系内に広がった発展は、へびつかい座70番星の方向からビームで送られてくるメッセージがなければ成し遂げられなかったものなのですが、このメッセージの真の目的、そしてその背後にはいったい何があるのか、という物語です。

読んだのはずいぶん前なのですが、「へびつかい座」を英語でOphiuhi(オフィユーカイ)というのだということを、この小説によってなぜかすぐに覚えてしまったのですが、Ophiuhiという単語使う機会はもちろん、英文で見たことも一度もありません。もっとも、日本語でも「へびつかい座」という単語を使う機会は少ないのですが。

「へびつかい座ホットライン」ジョン・ヴァーリィ
へびつかい座ホットライン (ハヤカワ文庫 SF (647))

“環”のように土星を囲む巨大な嵐

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admin_mb 2011-7-9 22:25
“環”のように土星を囲む巨大な嵐

NASAの土星探査機カッシーニが土星で発生した巨大な嵐を撮影したそうです。
土星は木星と同様のガス惑星ですが、木星に比べると大赤斑のような際立った特徴がありません。今回カッシーニが撮影した嵐は白っぽい模様が突如として現れたような感じです。研究によるとこの嵐では巨大な雷も発生しているそうで、放電量は地球の雷の約1万倍に達するとのこと。これまでの長期にわたる観測から、数十年にわたって蓄積した電気エネルギーを一気に放出することで、今回のような嵐が発生するらしいそうですが、そのメカニズムはまだ明らかではないとのことです。

土星は特徴的な惑星ですので、SFの世界でも土星はよく出てきます。実際には、土星そのものというよりは、その衛星が舞台となることが多いのですが。最も有名な土星の衛星タイタンを舞台としたものでは、ジェイムズ・P・ホーガンの「造物主の掟」があります。100万年前に不時着した異星の宇宙船の自動工場が現在まで稼動しており、そこで独自の進化を遂げた機械生命体とのファーストコンタクト物で結構面白いのですが、少々擬人化しすぎの感があります。「造物主の選択」という続編も書かれています。

他に、土星の衛星イアペトゥスを舞台とした「サターン・デッドヒート」という小説もあります。異星人の遺物が発見され、この遺物の図形を解読した結果、土星近傍には他にも同様の物体があり、これらの指示に従えば異星人が太陽系に残した"贈り物"のありかがわかるということで、デッドヒートが繰り広げられます。ファーストコンタクト物で考古学もので冒険でハードSF、といった小説で結構お勧めです。

「サターン・デッドヒート」デビット・キャリン
サターン・デッドヒート (ハヤカワ文庫SF)

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