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運営者ブログ - admin_mbさんのエントリ

生命の可能性「スーパーアース」、銀河系に数百億個か

欧州南天天文台(ESO)の発表によると、地球が属する天の川銀河に生命が存在する可能性のある地球に似た惑星「スーパーアース」が数百億個存在するという推計を発表したそうです。「スーパーアース」とは、地球のように岩石を主成分とする惑星で質量は地球の数倍から10倍程度、水が液体の状態で存在できる生命居住可能領域(ゴルディロックス・ゾーン)と呼ばれる範囲に位置する惑星のことをいいます。

ESOの観測チームによると、102個の赤色わい星を調査した結果9個のスーパーアースを発見したとのこと。報道発表資料によると、観測した赤色矮星の40%に対しスーパーアースの存在が確認され、銀河系に約1,600億個の赤色矮星が存在することから、銀河系だけで数百億個ものスーパーアースが存在する計算になるということのようです。ただ、102個中9個なら8.8%ですので、どこから40%という数字が出たのがが不明ですが、1,600億の8.8%としても140億個あるという計算になります。

さて、スーパーアースのように巨大な惑星を舞台としたSFというと、かなり前に読んだ小説で題名が思い出せないのですが、確か直径が地球の100倍程もある巨大な惑星にもかかわらず重力は地球とほとんど同じ、という惑星を舞台とした小説でした。その惑星の住民は世界が平らと信じており、地球人の主人公は惑星が球体であることを説明しようとするのですが、直径が地球の100倍もあると水平線も遥か彼方で、緯度によって影の長さに違いが生じることを証明するのも困難、といったエピソードがありました。この惑星は実は人口惑星で中心にミニブラックホールがあり、このブラックホールの周りに球体を建造しているといった仕組みになっています。そのため、地球の100倍の直径でも重力が1Gとなっているのです。ダイソン球の逆という感じですね。

超新星、近くの銀河で発見

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ニュース
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admin_mb 2012-3-26 23:50
超新星、近くの銀河で発見
地球から見て、獅子座に位置する棒渦巻銀河M95の外れに明るい光の点の発生が発見されました。国際天文学連合(IAU)は、世界各地での観測に基づき、この光が星の爆発による超新星であることを確認し、SN2012awと名づけたとのことです。

今回確認された超新星は地球から3700万光年の距離にあります。地球が属する天の川銀河の直径が約10万光年ですから、3700万光年というと結構離れているように思いますが、これまでに発見された超新星の中では最も近いとのこと。今までに発見された超新星は距離が遠かったことから明るさが極大になるまで観測されることがなかったのに対し、今回の発見では超新星の初期の状態を研究できると期待されているそうです。3700万年前の出来事を観測していることになりますが、3700万年前の地球は始新世(約5,500万年前~約3,800万年前)あたりでしょうか。この時代、インドはまだアジア大陸と陸続きにはなっていない頃で、原始的な哺乳類が大発展した時代です。このような時代に超新星となった星の光が今地球に届いたということですね。
土星最大の衛星「タイタン」には季節がある

土星最大の衛星タイタンは、木星の衛星ガニメデに次ぐ大きさで大気や液体の川や湖があることが知られていますが、探査機カッシーニの8年に及び観測により、更に季節の移り変わりがあることが発見されたとのことです。 タイタンの1年は土星の1年に相当し、地球年に換算すると29.5年。季節もこのサイクルで移り変わるとのこと。カッシーニがタイタンを観測し始めたのは2004年7月。この頃からタイタンの北極店にはエタンやメタンでできた、もや状の雲に覆われた湖が存在しており、2009年からこの「もやの層」が湖に降りており、現在まで北極の季節は冬とのこと。地球の季節は地軸の傾きが大きく影響していますが、タイタンの季節は何によって生じるのでしょう。記事には書かれていないのでなんとも言えませんが、土星の公転軌道は近日点と遠日点が10%程の差がありますので、太陽との距離が影響するのでしょうか。

さて、SFでタイタンというと、J・P・ホーガンの「造物主の掟」を思い出しますね。100万年前にタイタンに不時着した異星人の自動工場宇宙船が舞台となっており、製造されたロボットが独自の進化を経て一種の”文明”を築いています。機械生命の社会とタイタンを訪れた人類とのファーストコンタクトものですが、何というか宗教的要素が入りあまりに人類に似通っているところに違和感を覚えた記憶があります。それでもホーガンらしい名作のひとつではあります。

「造物主の掟」ジェイムズ・パトリック・ホーガン

ヘビのような火星のダストデビル

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ニュース
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admin_mb 2012-3-18 9:41
ヘビのような火星のダストデビル

火星の周回軌道から火星を調査するNASAのマーズ・リコナイサンス・オービタ(MRO)のカメラが撮影した塵旋風(ダストデビル)が公開されました。塵旋風(じんせんぷう)というのは聞き慣れませんが、竜巻のようなものですね。
今回撮影された塵旋風は、影の長さから高度800メートル以上と推定されるとのこと。火星にはご存知のように大気がありますが、その気圧は地表面で約6hPaと非常に薄いものです。地球の平均気圧は1013hPaですから170分の1と非常に希薄で、地球で言うと高度20kmくらいの気圧です。とはいえ月の10京分の1という大気圧に比べれば濃厚で、火星に着陸した探査機から送られてくる光景を見ると地球の岩石砂漠のような印象を受けます。

さて、火星はSFでもおなじみで、このブログでも火星関連のニュースの紹介をいくつか行いました。古くはウェルズの宇宙戦争から、今年2012年に日本で公開されるジョン・カーターは原作が「火星のプリンセル」です。どちらも古典的な小説ですが実は読んだことがありません。火星を舞台とした戦国時代的なストーリーというのはいくらなんでも大時代的な印象で、まあ読まず嫌いです。とはいえ、映画の評判は良いので観に行くつもりです。

「火星のプリンセス」エドガー・ライス・バローズ

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ヒッグス粒子存在の可能性高まる

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2012-3-10 23:58
ヒッグス粒子存在の可能性高まる

40年以上前からその存在が予言されていたヒッグス粒子の発見が現実味を帯びてきました。
CERNの記者会見によると、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)による2つの実験で、ヒッグス粒子の存在を示すと考えられる現象が、暫定的という前提つきながら初めて確認されたとのこと。

ヒッグス粒子は物理学者ピーター・ヒッグス氏によって存在が予言された粒子で、「電子やクオークなどの質量を持つ素粒子と、光子などの持たない素粒子が存在するのはなぜか」という謎を解くために必要で、ヒッグス粒子があることで素粒子の基本的な相互作用を非常にうまく説明することができるとのこと。人間が考えた理論のつじつまを合わせるためには必須な粒子というわけですね。
ヒッグス氏は宇宙が磁場同様”見えない場”で満たされていると想定。素粒子が相互作用することなくこの「ヒッグス場」を移動できるのであれば、抵抗は生まれず質量もほとんどない。逆に、素粒子がヒッグス場と大きく相互作用する場合に質量が大きくなる、とした。このヒッグス場を想定するのであれば、対を成す素粒子の存在を認める必要があり、これがヒッグス粒子とされています。標準理論では、場に対応する素粒子がなければ場も存在しないとのこと。ところで、電磁場に対応する素粒子が光子だそうで、ヒッグス粒子の性質は理論で予言されていることから、どのような方法で発見できるかもわかっており、見つかるのは時間の問題とされていたようです。

ところで、ヒッグス粒子が見つかると質量の謎の解明に近づくといった話もよく聞きます。真空はヒッグス粒子の場で満たされており、ヒッグス場に反応しない光子は光速で飛び質量はゼロのまま、ヒッグス場に反応する粒子は抵抗を受けて光速にはならない。これは質量を持つということと同等とのこと。このような事から質量の謎の解明に向けた第一歩になると期待されています。

さて質量の謎といえば、SFの世界、特に映像系では顕著ですが、人工重力は当たり前のように出てきます。エンタープライズでは、貨物船(もちろん宇宙船)の中で人工重力のないエリアを挟んで遠距離でのフットボールのキャッチボールをおこなうシーンがでてきたり、人工重力の向きが変わる通路が出てきたりします。もっと有名なものだと、スターウォーズのミレニアム・ファルコン号の銃座でしょうか。ファルコン号の円盤部の中心部の上下に銃座がありますが、コックピットと同じ面の通路からはしごを降りて銃座に入り、振り返ると反対側の銃座が見えるという構造でしたよね。

観測ロケット打ち上げ、2月のオーロラ

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admin_mb 2012-3-4 17:44
観測ロケット打ち上げ、2月のオーロラ

太陽風がGPSに与える影響を調査するため、北極圏で発生したオーロラに向けてアラスカ州フェアバンクス近郊のアラスカ大学ポーカーフラット発射場から観測ロケットを打ち上げたそうです。このロケットは弾道飛行する小型のロケットとのことで、高度349kmに達しオーロラ発生中の電気及び磁気の活動状況を測定するとのこと。オーロラは高度100kmから500kmで発生し、GPS衛星の高度は20,200kmと遥か上空ですが349km上空での観測から推定されるのでしょう。

さて、弾道飛行というと最も実現の可能性の高い民間の"宇宙旅行"として知られています。まだ実現していませんが、米国ジグラム社のプランでは、ジェット機の背に搭載されたロケットプレーンを高度16kmで切り離し、そこからロケットエンジンで上昇、高度100kmに達する弾道飛行で2分半の無重力を体験できるとのこと。高度100kmが宇宙といえるかという議論もありますが、地球を見ながら無重力を体験できるなら宇宙に行った気にはなるでしょうね。

海流減速で地球の1日が短くなる?

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admin_mb 2012-2-25 22:57
海流減速で地球の1日が短くなる?

NASAジェット推進研究所(JPL)の研究者スティーブン・マーカス氏によると、2009年11月の二週間、地球の自転速度が約0.1ミリ秒早くなっていたとのことです。
その原因として、南極を取り巻く海流の減速が挙げられています。例えば、フィギュアスケーターのスピンの際、腕を体に引き付けるに連れて回転速度が上がりますが、これは角運動量保存の法則によって回転半径と回転力の関は一定になるため、小さく回るとスピードが上がる事によります。地球の自転速度も同じ原理で、海流や気流の速度変化が自転速度に影響します。通常、海流は気流に比べて速度が低いことから影響は遥かに小さいそうですが、2009年11月の南極環流の減速は、地球自転の観測データで検出できるほど大きかったとのことです。
そういえば、月が地球から年々離れて行っているそうですが、これも地球の海が影響しているそうです。潮の満ち引きも月の引力によるものですが、月にも影響を及ぼしているのですね。ベーリング海峡を塞いで海流を変えると月が遠ざかることを防げるというのを何かで読んだことがあります。もちろんそんなことをすれば地球の気候が変わってしまうのですが、地球から月の軌道に対して影響を与える方法があるなんてすごいですね。

さて、地球の自転が関係するSFというと、自転が停止した地球を舞台にした「地球の長い午後」を思い出します。舞台は太陽は膨張し地球の自転は停止するほどの遥かな未来の地球。実際は自転が停止というよりは、水星のように自転の周期が公転の周期に一致しているということだと思いますが。この時代の地球では巨大な樹木が昼の世界を覆い尽くしていて、人類の末裔がほそぼそと暮らしています。この世界にも月はあり、月が重要な役割を果たします。読んだのはかなり前で、SFというよりファンタジー的と思った記憶があります。

「地球の長い午後」ブライアン・W・オールディス

月面を転がった岩の跡

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admin_mb 2012-2-15 0:19
月面を転がった岩の跡

NASAの月周回衛星ルナー・リコナイサンス・オービタ(LRO)が撮影した画像に、直径約9メートルの岩石が転がり落ちた跡が点線のように残っているものが見つかりました。場所はシラークレーターの斜面とのことで、転がった跡の上にくぼみのような小さなクレータができており、これは数千万年前の衝突クレーターと推測されていることから、岩が転がったのは更に昔ということになります。

最初期の類人猿は700〜600万年前とされています。アフリカの類人猿の化石記録には1400万年〜800万年前まで空白期間があるそうですが、数千万年前というと漸新世あたりで狭鼻猿類(旧世界ザル)と広鼻猿類(新世界ザル)の二つのグループに分かれるころのようです。そのような観測者が誰もいない時代に月の斜面を岩が転がったわけですね。

南極最大の氷底湖、到達を確認

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admin_mb 2012-2-12 23:22
南極最大の氷底湖、到達を確認

厚さ3769.3メートルに達する南極の氷床の下にある「ボストーク湖」を目指し掘削していたロシアの調査隊の掘削ドリルがついに湖の表面に達したそうです。ボストーク湖は米五大湖のひとつオンタリオ湖に匹敵するほどの面積で、1500〜3000万年の間氷床に下にあったと見られている湖で、独自の進化を遂げた微生物などがみつかれば「地球の生命体の範囲を拡張する」できごとになるかもしれないそうです。
深海熱泉に生態系があるくらいですから南極の氷床下の湖に微生物がいてもあまり驚きませんが、掘削による湖の汚染が心配されます。湖まで残り数メートルはサーマルドリルを使ったそうですが、そこに達するまでの3000メートル以上もの距離で使ったケロシンや不凍液は結構な量になると思われます。それらが、流れこむことがないのか心配ですね。

さて、氷の下の湖というと、木星の衛星エウロパの表面を覆う氷の下に巨大な海というか湖が存在するそうですね。この氷の下に探査機を送るという計画もありましたが、NASAの予算削減により中止となったようで残念です。

小惑星を食べ放題のブラックホール

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執筆 : 
admin_mb 2012-2-11 10:21
小惑星を食べ放題のブラックホール

地球が属する天の川銀河の中心部、地球から2万6000光年の距離にある「いて座A*(いてざエースター)」付近に超巨大ブラックホールが存在します。NASAのチャンドラX線観測衛星による観測や、チリのヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTによる赤外線観測により、このブラックホールの周辺で明るいX線フレアが発生していることが判明したとのこと。
ブラックホールの周囲には「降着円盤」と呼ばれる超高温のガスの渦が形成されており、ブラックホールに落ち込むガスや塵が周回しています。周回している物質がブラックホールに落下する際にX線や可視光線等の電磁波が放出されます。観測されたX線フレアは毎日のように発生しており最大で1時間続くとのことで、通常のブラックホールに比べ100倍もの強さになるそうです。 ブラックホールに小惑星が落下していくと潮汐力によってバラバラに引き裂かれますが、降着円盤内の高音のガスによって地球に落下する隕石のように気化します。その際に明るい放射線フレアが発生するということです。

さて、SFで降着円盤というと林譲治の「ウロボロスの波動」を思い出します。西暦2100年、発見されたブラックホール、カーリーの軌道を改変し、その周囲に人工の降着円盤を建設し太陽系全体を網羅するエネルギー転送システムを確立するという一世紀に及ぶプロジェクトを舞台にした連作短編集です。

「ウロボロスの波動」林譲治


新発見のスーパーアース、生命の可能性

地球から22光年、さそり座の赤色矮星を公転する岩石惑星が発見されたそうです。軌道はハビタブルゾーン内にあり、生命が存在する可能性が有望視されるとのこと。

スーパーアースとされるこの惑星「GJ 667Cc」は地球の約4.5倍の大きさで、公転周期が約28日とのことですからかなり太陽に近い軌道です。赤色矮星は比較的暗い恒星のため、太陽に近い軌道でも地球が太陽から受ける光に比べると若干弱いとのこと。ただし太陽光の大部分が赤外線のため、エネルギーの吸収率は地球よりも高いと考えられるとのことから、大気があって水があれば生命が存在する可能性はあるそうです。
太陽のサイズが小さいとしても、公転周期が28日となると惑星からみる太陽はかなり大きく見えるでしょうね。同じ星系内にはK型主系列星の連星も存在するそうですので、夜にはひときわ明るい星として見えることでしょう。さそり座の赤い星といえば一等星のアンタレスを思い出しますが、アンタレスは赤色超巨星ですから今回発表された赤色矮星ではありませんね。

ところで、赤色矮星は英語ではred dwarf、レッド・ドワーフです。「宇宙船レッド・ドワーフ号」というBBC制作のドラマがありましたね。かなり前なのであまり覚えていませんが、BBC製作だけあってアメリカのこの手のドラマとは一味も二味も違う雰囲気のドラマでした。

「宇宙船レッド・ドワーフ号 完全ガイド」

フォーマルハウトb、惑星ではない?

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2012-1-31 23:54
フォーマルハウトb、惑星ではない?

ハッブル宇宙望遠鏡によって初めて可視光で撮影された太陽系外惑星「フォーマルハウトb」が、惑星ではなく宇宙塵の渦かもしれないという研究が発表されたそうです。
フォーマルハウトbは、地球から約25光年離れた「みなみのうお座」にあるフォーマルハウトの周囲を公転する系外惑星と見られていました。フォーマルハウトは直径約346億キロの塵の円盤に囲まれており、その様子は映画「ロード・オブ・ザ・リング」の「サウロンの目」を連想させるものとして知られています。惑星が発見される前から、円盤の形状や内側のくっきりと見える境界線等が惑星の重力の痕跡と考えられていたそうです。
今回、「スピッツァー宇宙望遠鏡」による新たな観測データや、可視光では青く見えるのに赤外線ではほとんど見えないこと等から、フォーマルハウトbは「ちりの雲」のような質量の小さな天体と考えた方が説明がつくとの発表がありました。赤外線観測は、木星よりも小さい質量の惑星の検出には感度が足りないという反論もあるそうですが、どうなることでしょう。

最近、系外惑星の発見が相次いでいて、すでに700以上もの惑星が見つかっています。新たな惑星の発見と共に、これまでに見つかった惑星に対する研究が進むことでしょう。ハッブルやスピッツァーのような宇宙望遠鏡の口径が大きくなって性能も向上すれば、系外惑星も単なる光の点ではないところまで見えるものなのでしょうか。まだまだ先の話だとは思いますが期待したいですね。

太陽嵐、8年ぶりの規模で地球に到達

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2012-1-28 23:56
太陽嵐、8年ぶりの規模で地球に到達

2012年1月24日深夜(日本時間)、8年ぶりの大規模な太陽嵐が地球の磁場に到達しました。23日に太陽フレアとこれに続くコロナ質量放出が発生。コロナ質量放出とは太陽から放出される超高温ガスと荷電粒子の雲のことで、これが時速約500万キロのスピードで地球に向かい、35時間程で地球の磁場に到着したものです。地球の磁場に荷電粒子が衝突すると磁気嵐が起きてオーロラが発生します。大規模な太陽嵐では低緯度でもオーロラが観測されることがあることから、日本でもオーロラが見えるかもしれないと言われていましたが、観測はされなかったようです。仮に観測されたとしても、極地で見られるようなカーテン状のものではなく、空が赤くなるといったようなもののようですね。
太陽嵐の影響はオーロラの発生だけではなく、人工衛星やGPS信号、無線通信、航空機のフライトにも影響を与える可能性ががあることから、極地を通るフライトの一部はルートを変更したとのこと。太陽は11年周期で活動のピークを迎え、次のピークは2013年。今後も更に強力な太陽嵐の発生が予想されています。

さて、太陽を扱ったSFは数多くあります。ジェフリー・A・カーヴァーの「スターバースト」では、超新星爆発を目前に控えたベテルギウスが舞台です。実際、ベテルギウスは超新星爆発が近いとされています。近いといっても恒星の寿命の話ですから、100万年以内といったレベルでの近い将来ですので、生きている内に観測できる可能性は極めて低いですが。 この「スターバースト」では、ベテルギウスを周回する宇宙ステーションでノヴァ化を観測しているのですが、その真の目的はある極秘計画の実行にあります。舞台は恒星ですが、ナノテクやサイバー空間、人工知性、宗教が絡んできて、哲学的なものを目指しているようですが、主人公が記憶喪失なところもあってストーリーが混乱し、よくわからなかった印象があります。

ジェフリー・A・カーヴァーの「スターバースト」
スターバースト (ハヤカワ文庫SF)

『初期生命は熱水環境で誕生』説補強する研究成果

海洋研究開発機構の研究者によるゲノム解析の結果、既知のバクテリアの中で、地下の約70度の温泉水に生息するバクテリア「アセトサーマス」が最も「共通祖先」に近いということを突き止めたそうです。
現存する生物の中で、誕生したばかりの生命に近いものは古細菌バクテリアと呼ばれます。これら古細菌バクテリアの共通の祖先は、原始地球の有機物に乏しい環境の中で細胞とエネルギーを作り出すために「アセトサーマス」と呼ばれる代謝経路を持っていたと推論されています。「アセトサーマス」と呼ばれるバクテリアがこの代謝経路を持っていること、更に古細菌とバクテリアが共通に持つタンパク質や酵素の系統樹から解析したところ、「アセトサーマス」がこれまでに知られているバクテリアの中で最も「共通祖先」に近いことを明らかにしたそうです。

さて、地球の生命の起源がSFに登場するのは珍しくありません。スター・トレックにもそのようなエピソードがありました。スター・トレックの世界に登場する異星人は見かけは多少違うものの基本的に人型で、異星人種間で子供までできるという世界です。この理由として、共通の祖先となる種族がおり、かれらが生命が発生しそうな惑星に共通の生命の元というかバクテリアのようなものを撒種したということになっていました。突っ込みどころ満載ですが、まあTVシリーズのSFネタならこんなものでしょう。
他にソウヤーの「スタープレックス」という小説では100億年というスパンで物語が進むため、百日咳のバクテリアから進化した生物と昼食を取る、といったエピソードまで出てきます。確かに地球が生まれて40〜50億年で単細胞生物から人類まで進化するわけですから、100億年もあればそのようなことも可能ですね。

ロバート・J・ソウヤー「スタープレックス」


銀河系には数百万の周連星惑星が存在?

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ニュース
執筆 : 
admin_mb 2012-1-15 18:01
銀河系には数百万の周連星惑星が存在?

2012年1月9日にテキサス州オースティンで開催されたアメリカ天文学会の会合で、太陽系外惑星「ケプラー16b」に地球型衛星が存在する可能性と、ケプラー16bのように2つの太陽を持つ惑星は天の川銀河(地球が属する銀河系)だけでも数百万存在するらしいとの発表があったとのことです。ケプラー16bについては昨年9月に報告されたものですが、今回の学会では更にケプラー34b、ケプラー35bという土星サイズの巨大ガス惑星が、2つの恒星の周囲を公転しているとの発表が行われたそうです。連星系は銀河系に数百万あるそうですので、これはつまり連星系にも惑星があるのは珍しくないということですね。

NASAのケプラー宇宙望遠鏡には、惑星が親星の前を通過する際の親星の見かけの明るさが低下する現象を検出する機能があるとのことで、この機能によって750もの太陽系外惑星が発見されているそうです。ケプラー宇宙望遠鏡は、ハッブルのような地球の周回軌道ではなく太陽を周回する軌道上に投入されている、地球型の系外惑星を発見する計画のために直径約140cmの主鏡を持つ宇宙望遠鏡です。2009年に打ち上げられてから数年で750もの惑星を発見していますので、このペースで発見が続けば地球型の惑星も数多く発見されることでしょう。
系外惑星の発見とは直接の関係はありませんが、SETI観測でも2011年春にケプラー22bはすでに観測しているそうです。将来SETI観測で何らかの成果があり、その惑星の光を宇宙望遠鏡で捉えることができたら嬉しいですね。

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