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運営者ブログ - ニュースカテゴリのエントリ

月の石の酸素から、巨大衝突説に新たな証拠

月の起源として、巨大天体の地球への衝突によって生まれたというジャイアント・インパクト説がありますが、この説を裏付ける新たな証拠が見つかったとのことです。
アポロ計画で持ち帰られたサンプルと地球のサンプルから同位体比を測定。月のサンプルから酸素の同位体費を調査したところ、地球の方が明らかに多かったとのこと。この調査結果は、地球にぶつかった天体「テイア」の物質でできているとされる月の同位体比は地球と異なるはずだということを裏付けるそうです。
とはいえ、組成が異なることがなぜジャイアント・インパクト説の証拠と成るのかよくわかりません。月を形成する物質の内、テイア由来のものは70〜80%と考えられるそうですが、8%という説もあるそうです。衝突により地球由来の岩石が月の一部になっている可能性もありますので、組成の異なることが証拠にはならないように思えます。それにしても、このジャイアント・インパクト説が本当にあったことなら、よく地球が崩壊せずに済んだものだと思います。

系外惑星大気の観測に一石を投じる、衛星タイタンのデータ

系外惑星の探査では、惑星が恒星の手前を通り過ぎる際に大気を通り抜ける恒星の光を分光観測することで、その惑星の大気の温度や組成、構造を知ることができます。ただし、惑星の上空にもやが存在する場合、大気を通り抜ける恒星の光のスペクトルの一部に影響を与えているかも知れない、ということが土星探査機「カッシーニ」によるタイタンの観測により示されたとのことです。

カッシーニと太陽の間にタイタンが入る位置関係に入る際、タイタン上空の大気を太陽光が通過します。カッシーニによりこの光を分光観測し調査したところ、タイタン上空のもやは短い波長、青い光に強い影響をおよぼすことがわかったそうです。これまで系外惑星の研究では、もやは光の波長全般に影響をおよぼすと考えられていたそうで、今回のカッシーニの観測結果はその仮定が必ずしも正しくないことを示すことになります。その惑星が持つ大気の厚さや成分によっても異なるのかもしれませんね。

木星の大赤斑が縮小、ハッブル観測

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-5-20 0:05
木星の大赤斑が縮小、ハッブル観測

木星の大赤斑は個人で買える天体望遠鏡でも観測できるくらい大きな模様です。木星といえば大赤斑、というくらいよく知られています。
この大赤斑のサイズが縮小しているということが、ハッブル宇宙望遠鏡によって観測されたとのことです。1995年には直径が21,000km程だったものが、2009年には約18,000km、2014年には約16,500kmまで縮小しているそうです。ペーストしては、年平均950km縮小しているようで、更に形も楕円から円に近づいているそうです。
今回の報道はハッブル宇宙望遠鏡の観測により、とありますが、天文学者の間では1930年代以降サイズが縮小していることが確認されていたそうです。NASAゴダード宇宙飛行センターのエイミー・サイモン氏によると、「非常に小さい渦が大赤斑に巻き込まれ、それにより大赤斑の内部構造に変化が起きた可能性がある」とのこと。

木星を探査したパイオニアやボイジャーによる大赤斑の写真が公開された時、その鮮やかな色の模様に圧倒されたものです。その時の画像を検索してみると、確かに現在の大赤斑よりも圧倒的に大きいですね。今後このままなくなってしまうのか、何らかの周期でサイズが変化するのかどうか、人類が観測し始めてから100年も経っていないわけですからなんとも言えませんね。

そういえば、古き良き時代のSF、キャプテン・フューチャーシリーズでは太陽系の各惑星には住民が居るという設定で、木星の大赤斑は「大火炎海」という火の海という設定でしたね。

「恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近!」エドモンド・ハミルトン


40億年前の月の自転軸は数十度ずれていた

探査機「かぐや」等の観測により、月にはかつて地球のような磁場があり、更に自転軸も今日の月に比べて数十度傾いていたことがわかったとのことです。
現在の月は地球のような大規模な磁場を持ちませんが、岩石の分析から約40億年前には磁場が存在していた可能性があるそうです。また「かぐや」とアメリカの「ルナプロスペクター」による観測に酔って得られた月面の磁気異常データーから、過去の磁極の位置を推定。地球の強力な磁場は、地球には高温で溶けた鉄の中心核が流動することで電磁誘導現象が発生することで維持されています。また、磁場は自転軸の極と一致する性質があることから、中緯度付近に集中する月面の磁場は、かつて月の自転軸が現在の自転軸に対し数十度ずれているこの辺りにあったことを示すものと考えられるそうです。更に、過去の月に大規模な磁場が存在したということは、月にも鉄の中心核があったことを示すことになります。
強い磁場があったのは数十億年前の話となりますが、中心核が冷えるに従って地軸もずれていったのかもしれませんね。

7光年彼方に氷点下の褐色矮星

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-5-6 17:28
7光年彼方に氷点下の褐色矮星

褐色矮星とは、材料が少なく質量が小さいため太陽になりそこねた天体のことをいいます。軽水素が核融合を起こすには、中心角の温度が300万〜400万K必要ですが、重水素は軽水素よりも低温で核融合を起こすことができます。重水素の比率は低いため核融合は短期間で停止、冷却した星は褐色矮星となります。温度が低いため可視光ではなく赤外線による観測でその存在を捉えることができます。
今回NASAの赤外線天文衛星「WISE」による観測で見つかった移動天体を、赤外線衛星「Spitzer」やチリのジェミニ南望遠鏡を用いて距離や温度を確認、この天体が褐色矮星である可能性が高いことがわかったとのことです。

観測によると、まずこの天体は太陽系から7.2光年とのことで、太陽系からは4番めに近い星系とのこと。重さは木星の3〜10倍、温度は摂氏マイナス48度〜マイナス13度。サイズが小さいため、惑星系から追い出されたガス惑星の可能性もあるそうですが、褐色矮星の可能性が高いと考えられるそうです。このサイズと温度は、これまでに知られている褐色矮星の中では、もっとも低温で小さいとのことです。

さて、褐色矮星といえば、太陽の伴星として考えられている架空の星「ネメシス」が褐色矮星もしくは赤色矮星とされていますね。「恐竜はネメシスを見たか」によると、2600万年周期で太陽を回る伴星で、2600万年毎にオールトの雲を乱し太陽系に彗星が大量に飛来するとされ、これにより恐竜が絶命したとのこと。これは、地球の周期的な生物の大量絶滅の理由としてその存在が過程されたものです。仮に存在するなら、赤外線天文衛星による観測で見つかるかもしれませんね。

「恐竜はネメシスを見たか」リチャード ミュラー


宇宙誕生10億年後のガンマ線バーストに中性水素の痕跡

ガンマ線バーストとは、20秒程度の短い時間に数100キロ電子ボルトのガンマ線(電磁波)が降り注いでくる現象のことをいいます。太陽の数10倍の質量を持つ恒星が燃え尽き、自身の重力でブラックホールに崩壊する際に放出される高速に近いジェットから放出されると考えられています。
すばる望遠鏡の観測により、宇宙誕生から10億年後のガンマ線バーストに中性水素の兆候が見つかったとのことです。これは「宇宙再電離」の前に存在したと考えられてきた中性水素ガスを検出できたもので、遠方宇宙の観測を再電離よりも前に進める成果です。

宇宙の再電離とは、138億年前に宇宙が誕生した当初、原子核と電子は電離した状態、つまりバラバラの状態でした。宇宙誕生から38万年を過ぎた頃、宇宙は膨張により冷却され、これに伴い原子核と電子は結合します。この結合により電気的に中世な水素原子が形成されますが、その後およそ10億年後、初めての星や銀河が生まれると、これら天体が放つ紫外線で水素が再び電離し「宇宙再電離」が発生します。これが現在まで続き、宇宙に存在する水素の大半は電離状態の銀河間ガスです。

今回検出された中性水素の痕跡は再電離がいつどのように起きたのか、更に再電離の前の時代に原始銀河系の形成についても今後明らかになるかもしれませんね。

地球によく似た系外惑星、ケプラー発見

太陽系外の地球型惑星を探す目的で打ち上げられたNASAの宇宙望遠鏡「ケプラー」はこれまで1000個近くの惑星を発見しています。また、岩石惑星でハビタブルゾーンを周回する惑星もこれまでに発見していますが、今回発表された「ケプラー186f」はその中でも大きさが最も地球に近いとのことです。
ケプラー186fは、赤色矮星ケプラー186を公転する5つの惑星の内の一つで、大きさは地球の1.1倍。岩石惑星と見られ、その場合地球の約1.5倍の質量と推測されています。サイズが地球に近く、更に太陽からの距離がハビタブルゾーンにある惑星が見つかったのは今回が初めてとなります。
赤色矮星ケプラーは太陽の半分ほどの大きさとのことで公転軌道は地球に比べ小さく、130日で公転しているそうです。恒星からの熱は地球に比べ小さいようですが、大気に温室効果ガスが含まれていれば液体の水が存在できると考えられています。

ケプラーは、恒星の手前を惑星が横切る際の恒星の明るさの変化を利用し惑星を検出します。この方法は、地球で軌道を真横から観測できる惑星系に限られますが、それでもこの方法によって観測できるケースは1%程度だそうです。定期的に恒星表面の通過が観測されればその軌道半径を計算でき、その頻度が高ければ見つかりやすく、今回惑星が見つかったケプラー186fの場合も5つの惑星が見つかっていますが、いずれも公転周期が短くわずか二年の観測データから割り出されたそうです。

今後もケプラーによる観測で多数の系外惑星が発見され、その中に更に地球サイズでハビタブルゾーンをめぐるものが見つかることでしょう。地球のような惑星が珍しくなければ、生命が存在する惑星が存在する可能性も高くなりそうですね。

火星探査、宇宙飛行士の健康への懸念

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-4-13 10:14
火星探査、宇宙飛行士の健康への懸念

有人探査はすっかり少なくなりました。ISSまでは現在も定期的に打ち上げられていますが、そこから先となるとアポロ以来全く行われていません。中国が有人月面探査を計画しているようですが、探査目的なら有人である必要はなく、莫大な費用をかけて人を送り込む必要性があるかといわれると難しいところがあります。

実際に月よりも遠方、火星や小惑星の有人探査を行う場合、技術的にはこれまでの無人探査機の経験がありますが、人を乗せるとなると健康上のリスクがあります。現在、NASAでは2021年に小惑星、2030年に火星に宇宙飛行士を送り込むことを検討しています。無重力の環境は宇宙飛行士の骨、心臓、肺を弱めるとのこと。更に、20%の宇宙飛行士は視力に関しても障害を患わっているそうです。狭い環境での長期間の活動は心理的な問題も含め、過酷なものです。

2007年のNASA宇宙健康ガイドラインによると、210日以上宇宙に滞在する宇宙飛行士は最も高いリスクを負うとして基準が設けられています。宇宙飛行士の筋力および有酸素能力が、ミッション前のそれぞれ80%と75%を維持することが義務付けられており、また宇宙線や太陽フレアによる放射線被曝レベルが、致命的な癌の障害リスクの3%以下を保つよう制限されるとのこと。ISSの場合、0.5〜1mSv/日、で地上の100倍以上です。宇宙飛行士が浴びる放射線の制限値には規定があり、年令によっても異なるが発がんリスクは3%増加するものとなり、この基準が踏襲されているものと思われます。なお、これまで宇宙に長期滞在した米ロのの宇宙飛行士で発ガンした例はないそうです。

火星への探査は片道少なくとも6ヶ月を要します。更に大気の薄い火星滞在の際に受ける放射線は宇宙滞在と変わらないため、NASAの癌リスク基準を超えないためのは、たばこを吸ったことのない45歳以上の男性と55歳以上の女性のみとのこと。また11年周期の太陽極大期の強力な太陽風が、新宇宙からくる有害な宇宙線から太陽系を守っている時期に飛行している場合のみとのことです。
このような危険性が会っても、志願する宇宙飛行士は多いでしょうね。古今東西、未知の領域への探査は危険を顧みず行われてきましたが、その歴史を宇宙を舞台に繰り広げてほしいものです。

エンケラドスの重力場が示す地下の海

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-4-6 17:40
エンケラドスの重力場が示す地下の海

氷で覆われていて、氷の下には液体の水の海があるのではないかと考えられている衛星といえば、木星の衛星「エウロパ」が知られていますが、土星の衛星「エンケラドス」も同様の衛星のようです。

探査機「カッシーニ」により観測されたエンケラドスは、氷に表面を覆われた直径500kmの天体で南極付近では氷や水蒸気がジェットのように吹き出しており、その水源は氷の下にあると考えられています。また、重力場測定から地下の海の存在を裏付ける証拠も得られたとのことです。
エンケラドスに100kmまで接近し通過した際に重力の影響を受けて航行速度が変化し、これまでの3回の通過時の測定で秒速0.2〜0.3mmの変化が捉えられたとのこと。ここから、南極付近に密度の高い領域があり、氷よりも密度が7%高い水が存在する可能性が高いということのようです。

以前、エウロパの氷の下に探査機を送る計画の記事を読んだ記憶がありますが、技術的な問題でエウロパよりもエンケラドスに探査機を送る計画のほうが先に実現するかもしれないそうです。さすがに3kmを超える厚い氷を掘り進むのは困難ということでしょうか。エンケラドスの場合は、氷の裂け目から音速の5〜8倍もの速度で上空に塩分を含む水蒸気が噴出しているそうで、これを採取して地球に持ち帰るということも考えら得ることから、探査先としては先に選ばれる可能性が高そうです。土星の衛星ですから、言って帰ってくるまで20~30年はかかるみこみのようなので、かなり先ですね。

環を持つ小惑星を初めて発見

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-3-29 10:31
環を持つ小惑星を初めて発見

木星や土星をはじめ、海王星、天王星のような巨大ガス惑星には輪があります。輪は氷や塵が集合してできており、巨大惑星の重力がこれらを惑星の周りに維持できているものと考えられていましたが、2014年3月26日のNature誌に発表された論文によると、カリクローと呼ばれる小惑星に輪が発見されたそうです。

この小惑星「カリクロー」が発見されたのは1997年。直径は248kmで、土星と天王星の間の軌道を周回しています。ケンタウルス族と称される天体の一つで、その中では最も大きい小惑星とのこと。ケンタウルス族とは、土星よりも地球に近いところを周回する岩石でできた小惑星と、海王星の外側を集会する氷の彗星からなるもので、二つの領域にまたがることから神話の半神半馬のケンタウルスと呼ばれるそうです。

輪が発見されたのは、カリクローの正確な大きさと形を測定するため、7つの望遠鏡を使い恒星の前を通過するカリクローを観測した際に、構成の光が何度か予想外に弱まったとのこと。当初は彗星のようにガスを噴出しているものと考えられたとのこと。ところが、カリクローの通過の前後に光が弱まっていることから、二つの輪が恒星の前を通過していることが判明したそうです。
二つの輪はそれぞれ7km、3kmの幅で、カリクローの中心から391km、405kmの距離にあります。小惑星の直径が248kmですから、大きな輪といえます。カリクローが輪を得た原因はまだわかっていませんが、輪が形成される仕組みの解明に役立つのではないかと期待されているとのこと。

カリクローのような小惑星や木星のような巨大惑星が輪を持つなら、その中間の地球や火星に輪があっても良さそうなものですが、他の星系には地球のようなサイズの岩石惑星で輪を持つ惑星があるのかもしれませんね。

水星、直径が40億年で14キロ縮小

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-3-21 22:21
水星、直径が40億年で14キロ縮小

2011年から水星の周回軌道を回るNASAの探査機メッセンジャーの最新の研究によると、過去40億年の間に直径が最大で14km小さくなっていることが明らかになったそうです。なお、現在の水星の直径は4880kmです。

太陽風で表面が吹き飛ばされたのか、と思いがちですがそうではないようです。水星の表面に見られるしわ状の地形は、惑星が冷却することで惑星の表面を覆う岩盤のプレートが縮むことで、しわ状の断崖が形成されているとのこと。水星に限らず惑星は徐々に熱を発散し冷却しており、太陽に近い水星も例外ではないことになります。研究によると、水星の収縮は地球の月や火星に比べると進んでいるそうで、その原因についてはまだ謎とのこと。

19世紀の地質学者は、地球の山脈は地球の中心核が収縮したことで表面にしわが寄ったことで形成されたという説を唱えていたとのこと。その後1950〜60年代になって、地球の場合は縮むとしわが寄る一枚の岩盤の層ではなく、独立して動く多数のプレートの集まりであることがわかりこの説は否定されたそうです。ところが21世紀になり、この19世紀の地質学者の説は水星においては正しかったということですね。

太陽系外惑星、新たに715個を発見

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-3-1 10:57
太陽系外惑星、新たに715個を発見

太陽系以外の整形に存在する惑星はこれまで1000個程発見されていますが、新たに715個の惑星が見つかったとのことです。 これは2009年に太陽系外惑星探査を目的に打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡の観測によるものです。2011年1月には初観測から最初の四ヶ月間で1235個もの惑星候補を捉え、同年12月7日には液体の水が存在する惑星「ケプラー22b」を発見しています。

その後ケプラー宇宙望遠鏡は3年半の主要ミッションを終え、2012年11月から延長観測ミッションに入っていますが、2012年7月と5月に姿勢を制御する装置が相次いで故障し、最低限の姿勢制御を行うモードに入っていましたが、2013年7月に復旧が断念されていました。それでも観測事業は継続されており、これまでに地球から3000光年以内にある恒星の惑星候補を約3500個発見する成果をあげています。

今回新たに発見された715個の惑星は305の恒星系で発見されたました。惑星の大半は小さなもので、地球と同程度から大きくても海王星程とのこと。更に海王星サイズの惑星より内側をより小さな惑星が公転しているものが大半ということですので、このような構成が典型的なものなのかもしれませんね。

NASAではケプラー第二計画も浮上しているそうで、更に惑星の発見が続きそうです。

NASAの「RESOLVE」計画:月や火星で、水と酸素を「現地調達」

地球からロケットで荷物を打ち上げるのにかかるコストは、H-IIAロケットの場合で1Kgあたり約100万円。今後もっと安くなる可能性はありますが、地球から運ぶよりも現地で調達できるに越したことはありません。
NASAの「RESOLVE」計画では、水や酸素を月、火星で現地調達するというもので、その実験が月で2018年、火星で2020年に行われる予定とのこと。火星はともかく、月で水や酸素を調達というのはどのように行うというと、月の土を加熱し水素、酸素、水蒸気を放出することで水をつくるそうです。火星の場合は、大気の二酸化炭素から酸素を取り出すとのこと。

月はほとんど大気がないので、太陽風に何億年もの間月面を吹きつけられた結果、表面の砂、レゴリスに水素やヘリウムが吸着されています。また、月面にあるカンラン石のような鉱物は鉄、マグネシム、ケイ素、酸素でできており、岩石から酸素を取り出すこともでき、これら酸素と水素から水を作り出すようです。小規模な基地向けだとしても、人間の生活に必要な量を取り出すにはそれなりに時間がかかりそうです。

このミッションはテラフォーミングの初期実験に位置づけられるそうですが、環境を変える程の量をつくるのはかなり大規模な設備が必要です。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素濃度についてもここ100年の人類の活動によるものですし、地球の環境に影響を与えるのに、あれだけ大量に化石燃料を使って100年かかっているわけですから。

ブラックホールは存在しない?

カテゴリ : 
ニュース
執筆 : 
admin_mb 2014-2-2 11:58
ブラックホールは存在しない?

ブラックホール自体は存在します。存在しない、とされているのは、これまで考えられてきたようなブラックホールは存在しない、ということです。
では、これまで想定されてきたブラックホールとはどのようなものでしょう。強大な重力により脱出速度が光速を超え、光さえも脱出できないとされて来ました。そのためブラックホールは光によっては観測できず、ブラックホールに落ち込む物質が放つ放射や近傍の天体の運動等から観測するしかありません。光でさえ脱出できない境界「事象の地平線」があるとされ、物質が持つ情報はこの地平線を超えると破壊されるとされていました。ところが、素粒子レベルで説明する量子物理学におては情報は決して破壊することはできないとされており、矛盾がありました。

この矛盾を解消するのが今回発表されたホーキング博士の新説で、ブラックホールには事象の地平線など存在しないというもので、情報の消滅もないというものです。説によると、ブラックホールに一時的に閉じ込められた物質やエネルギーは形は異なるものの全て保持されており、最終的に放射として再び外に出てくる、というものです。出てくる情報はある種のスクランブル処理がされていて、元の状態に復元する方法は存在しないとのこと。

また、これまでブラックホールをめぐる矛盾を解消するための説「自閉の地平線にあるファイアウォール」も必要なくなるとのこと。この説は、量子力学からブラックホールをとらえた際、あらゆる粒子が「一夫一婦制のもつれ」と呼ばれる原理に従うと、ブラックホールから出てくる量子は落ちていく粒子だけでなく以前に出ていた粒子とも絡み合いを持とうとするとのこと。同時に複数のペアに属することはできないためペアの1つは解消される必要があり、そのため一方を訪客してしまうようなファイアウォールが想定されたというもの。この説には反対する意見もあったようで、今回のホーキング博士による新理論が今後どのように展開するのか楽しみですね。

「ブラックホールで死んでみる」ニール・ドグラース・タイソン


彗星探査に向け、探査機ロゼッタが冬眠から復帰

2004年、南米ギアナ宇宙センターから打ち上げられた欧州宇宙機関の彗星探査機「ロゼッタ」は、2008年に小惑星シュテインス、2010年に小惑星ルテティアのフライバイ観測を行った後、冬眠モードに入っていましたが、2014年1月20日に冬眠モードが解除されました。冬眠中は、気体の温度を保つヒーター等の最小限の機器以外がオフにされていましたが、当初設定されたタイマーの通り目を覚まし、冬眠からの復帰動作が実行された後、8億km以上離れた地球に信号が送られ、これが45分後にNASA深宇宙ネットワークのアンテナで受信されたとのこと。

「ロゼッタ」が観測に向かうチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は1969年に発見された彗星で、6.5年周期で地球軌道のあたりから木星軌道のあたりを公転しています。ロゼッタは2014年8月に彗星に到着し、フライバイ観測ではなく暫くの間彗星と並走飛行するとのこと。ランデブー(並走飛行)で彗星を観測するのは世界初で、最初の2ヶ月間、彗星の質量やけ一条、大気の分析を行います。これら観測結果から次に着陸地点を決定。11月にはロゼッタから重量100kgの着陸機「フィラエ」が投下され、世界初の彗星の着陸探査が実施されます。彗星の核は幅4km程と考えられ重力も小さいことから、探査機は地表にネジを差し込んで固定するそうです。着陸の後、彗星と共に2015年8月の太陽への最接近までの間観測が行われます。彗星が蒸発していくところを彗星の地表から観測することになります。楽しみですね。

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