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運営者ブログ - admin_mbさんのエントリ

「2015年宇宙法」法案、米国上院で可決

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admin_mb 2015-12-7 21:45
宇宙資源の商用利用を認める法案「2015年宇宙法(Space Act of 2015)」が、米国上院を通過したとのことです。以降、下院に戻された後、大統領が署名すれば法案成立になりますが、果たしてどうなるでしょう。

ただ、ここで気になるのは「宇宙条約」です。宇宙条約の第二条には「月その他の天体を含む宇宙空間は、主権の主張、使用若しくは占拠又はその他のいかなる手段によっても国家による取得の対象とはならない」とあります。今回上院を通った宇宙法には、いかなる天体に対する主権、国権、占有権、司法権を主張することも、所有を主張することもないと明記されているとのことなので、所有権は主張しないが採掘した資源は自分のもの、ということですかね。

この法案は、小惑星を採掘しその資源の商用利用を米国の企業や市民に認めるというもので、宇宙産業の発展を目的としているそうです。実際、現時点で商業目的の採掘は行われていませんが、商業的目的で宇宙開発が行われるという流れは歓迎です。宇宙が儲かるとなれば宇宙開発の発展が期待できます。権利を主張しないことと資源の商業利用が両立できるのか気になるところではありますが、実際に法的に問題が出てくるとしたら、かなり本格的な商業利用が行われるようになってからでしょう。そうなったらそうなったで法律の改正や国際的な条約も整備されてくることでしょう。いずれにしても、宇宙開発好きとしては、民間ロケットの次の民間による宇宙進出はどんどん進んでいってほしいものです。

太陽風によって剥ぎ取られた火星の大気

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admin_mb 2015-11-16 23:02
NASAの火星探査機「メイブン」の観測データから、火星の大気は太陽風による侵食で毎秒約100gの割合で宇宙空間に放出されていることがわかったそうです。毎秒100gですから、1時間だと3600秒で360,000、24時間で8,640,000g、1,000gで1Kgですから1日あたり8.64tになります。メイブンの観測によると、大気の散逸には3つの異なる領域があるとのこと。まず、太陽風が火星の夜の側から約75%、火星の両極の上空から25%、残りを火星を取り巻くガス雲から剥ぎ取られているそうです。

億年単位だと大量の大気が失われたことになりますが、逆に考えると、数十億年前には今より遥かに厚い大気があったということですね。水が大量存在したと考えられる痕跡がありますので、過去には大気も水も十分にあったということでしょう。ただ、地球と比べて水と大気が豊富にある環境が短期間しかなかったことから、生命が生まれなかったのでは、という説もあるそうです。地球の方が火星よりも太陽に近いわけですから、遥かに多くの大気が太陽風により剥ぎ取られていることになります。それでも地球の大気が薄くならないのは地球の重力が火星よりも大きいためですが、それでもやはり徐々に減ってはきているようです。数十億年未来には地球も火星のような姿に成るのかもしれませんね。

生命に適した惑星9割の誕生はこれから

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admin_mb 2015-10-25 23:27
生命の存在する地球は、この宇宙では先駆者ではないかとの研究結果が発表されたとのことです。
ハッブル宇宙望遠鏡と系外惑星探査衛星「ケプラー」等の観測データに基づく理論研究から、生命が存在しうる惑星の9割はまだ誕生していないとの予測が発表されました。宇宙が誕生してから130億年程、地球が誕生したのは46億年前ですから宇宙誕生から84億年程経った頃になりますが、この時期はまだまだ宇宙の年齢からだと若いということでしょうか。
発表によると、100億年前の宇宙では現在よりも速いペースで星が生まれていたそうですが、当時、星が生まれるのに使わえた水素やヘリウムは全体量からするとわずかなため、まだまだ星が生まれる材料は大量に残っており、今後も多数の星が生まれる惑星も誕生すると考えられるそうです。

とはいえ、現在でも地球が属する銀河系だけでも恒星は10億、更に銀河も1000億以上観測されています。既に惑星も膨大な数存在し、その中には地球と同時期に生まれた同タイプの惑星も大量にあるでしょう。それでも、今後の宇宙の歴史の長さからすると、現状ではまだ1割でのみ生命が誕生したということなのでしょうね。
仮に地球がこの宇宙において生命が誕生し文明を築いた先駆的存在だとすると、それはそれで将来が楽しみですね。SFの中では、例えば過去に超文明のようなものがあり、その遺跡やら痕跡が見つかるといったものが良くあります。映画からテレビドラマ化されたスターゲイトは良く知られていますが、小説だとニーヴンの「リングワールド」、ヴィンジの「遠き神々の炎」やブリンの知性化シリーズ、小松左京の虚無回廊などもそうですね。将来、地球人が銀河に進出し、その後に生まれる知性から見て過去の超文明を築いた種族と思われるかも知れないと考えると胸熱です。

ニューホライズンから詳細データ受信中

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admin_mb 2015-9-24 23:46
2015/7/14に冥王星をフライバイし、人類が見たことのなかった素晴らしい冥王星の画像を送ってきたニューホライズンですが、この接近で取得されたデータはまだ全てが地球に送信されていません。これまでに送信されたものはその一部で、高解像度データの送信が9月中旬から送信が開始されました。その送信が完了するまでには1年半かかるそうです。
フライバイ後、久しぶりに公開された最新の画像は1ピクセルあたり400mの高解像度データです。画像には砂丘のような地形や氷河、侵食によって削られてできたと思われる峡谷や山々等、火星のように多様な地形が見られます。

砂丘については、冥王星の大気は非常に薄いことから、砂丘が出来た頃の状態がそのまま残っていると考えられるそうです。薄いとはいえ、ニューホライズンが捉えた大気のもやが予想以上に多くの層で構成されていることが明らかになったそうで、もしかしたら砂丘は長期間をかけて出来上がったのかもしれませんね。

これまでにニューホライズンから送られてきた画像も素晴らしかったですが、今後送信されてくる高解像度の画像にも期待しましょう。

2015年8月19日、H-IIBロケットによる「こうのとり」5号機の打ち上げが成功しました。「こうのとり」の打ち上げは、これまでのところ失敗なしという素晴らしい成果です。 「こうのとり」は約6tの物資を輸送することが可能で、この能力は現時点で世界最大です。ISSへの補給は、日米露の補給機計4機種で運用されています。アメリカは民間に委ねており、2014年10月にシグナス、今年6月にはドラゴンの打ち上げに失敗。ロシアのプログレスも今年4月に失敗しています。今回「こうのとり」は、失敗したドラゴンで運ぶ予定だった物資、計210kg緊急搭載しました。本来なら搭載できないものを隙間を何とか見つけ、更には運ぶ予定だったものの一部を諦めたようです。

さて、「こうのとり」は、ISSとのドッキングの際にロボットアームを使います。この手法はJAXAが開発したもので、民間のDragon宇宙船による補給機も同じ方法を使いました。この方法に対して、他の補給機が直接ドッキングするのに手動による操作が必要なところを、技術的に劣っているといったニュアンスで批判する記事を見かけました。このロボットアームを使って捕まえるためには、ISSから10mの距離に相対的に停止してランデブー飛行し、ロボットアームで捕まえられる約1m立方の範囲内に5分以上留めておく必要があります。直接ドッキングというのは、つまりは衝突させるわけですから、これに比べると安全性でも上です。ISSに接近する際もISSの下方300mと30mのところでそれぞれ一旦止まり、地上からの命令がない限り接近しないという安全策もとられています。光度な技術に裏付けされたもので、ドッキングに比べて劣っているものではないのです。
ドッキングというのなソ連時代に開発された手法ですが、「こうのとり」の場合はこれに比べてドッキングベイの開口部が広く大きな荷物の出し入れができるという利点もあります。物資を運ぶ上では、この開口部が広いというのは大きなメリットではないでしょうか。

2010年12月にエンジントラブルにより金星周回軌道投入に失敗した後、金星よりも内側の軌道で太陽を周回していた「あかつき」は、2015年12月7日に金星に接近する際に金星の周回軌道投入に再度挑戦します。この再投入に向けた起動制御が7月下旬に行われましたが、これまでに「あかつき」から取得したテレメトリデータの解析から、軌道修正制御が計画通り実施されたことが確認されたとのことです。

12月7日の再投入では、不具合のある主推進エンジンは使用せず、姿勢制御用エンジン4本を使用します。エンジン出力の関係で当初予定の軌道投入はできず、より遠近点の遠い楕円軌道へ投入されることになります。当初計画の軌道は30時間周期で、新起動は8〜9日周期ですから、かなり大きな楕円軌道となります。メリット・デメリットがありますが、再投入の成功を期待して今年の12月を待ちましょう。

探査機による惑星や彗星、小惑星の画像を見るのが好きで、ニューホライズンも打ち上げられた時から楽しみにしていました。
地球の月よりも小さな冥王星はご存知のように今では惑星ではなく準惑星という分類で、サイズも小さいことから地球の月や彗星のようなクレーターに覆われた天体のような感じな気がしますが、それまでに撮影された画像を見ると大気がありそうな色をしており、実際はどんな感じなのか非常に気になっていました。また、冥王星には5つの衛星がありますが、中でもカロンはサイズが大きいことから、カロンについてもどんな姿をしているのか興味がありました。

接近に伴い様々な画像が送られてきましたが、最初のハイライトは冥王星とカロンが共通の重心を回転している連続写真です。大きな衛星カロンの重力の影響で、冥王星が揺れが生じているんですよね。次に送られてきた冥王星の写真にも驚きました。銅褐色をしており表面の模様も多彩です。色の違いは地質の違いによるもので、見た目大気があるようには見えません。大気があるといっても地球の70万分の1ですから無理もありません。地球の月より小さな冥王星に、少ないとはいえ大気があるのは温度が低く太陽風の影響が小さいからとのこと。
さて、冥王星の表面ですが、カイパーベルトに位置する天体には小惑星が多数衝突しいるのではと思っていましたが、クレーターが少ないのが意外です。再接近した際の表面写真では3500メートル級の氷の山が写っていますが、スケールは別にして表面のでこぼこ具合だけを見ると彗星の表面のような印象すらあります。

まず送られてきた画像は圧縮された画像ファイルで、今後時間をかけて詳細なファイルが転送されてくるそうですので期待しましょう。また、カロン以外の衛星の画像も楽しみです。

プログレス補給船がISSに到着

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admin_mb 2015-7-5 18:33
プログレス補給船がISSに到着

ロシアのソユーズUロケットに搭載された「プログレスM-28M」は、2015年7月3日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、順調に飛行を続け7月5日にISSに到着しました。2015年4月17日にドラゴン補給船の6号機が到着して以来、約三ヶ月ぶりに国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資が到着したことになります。

4月28日のプログレスM-27Mを搭載したソユーズの失敗、6月28日のドラゴン補給船7号機を搭載したファルコンロケットの失敗、昨年2014年10月にはシグナス補給船を搭載したアンタレスロケットの失敗と、ここ最近は打ち上げの失敗が続いています。補給物資が打ち上げ失敗で届かないことは想定されているものの、これほど失敗が続くと今年2015年10月まで通常運用できる分しか残っていない状況だったとのことです。この後、8月16日には日本の補給機「こうのとり」5号機を搭載したH-IIBロケットの打ち上げが、続いて9月21日には「プログレスM-29M」を搭載したソユーズUの打ち上げが予定されています。H-IIロケットは打ち上げ成功記録を継続してほしいものです。

さて、ロシアのロケットは、今年5月にもメキシコの人口衛星打ち上げに失敗しています。ロシアのロケットというと、質実剛健というか古いものの信頼性が高いという印象だったのですが、失敗が続いていてちょっと心配です。7月23日には油井さんら3人が搭乗するソユーズの打ち上げが予定されていますからね。

月に彗星由来の雲

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admin_mb 2015-6-21 11:50
彗星は塵をまき散らしながら太陽を周回していますが、その塵が月の軌道にも残るとのこと。この塵が雲を作っているのかというとそうではなく、月の軌道に残った塵が月面に落下して衝突した際に舞い上がった微粒子が宇宙空間まで舞い上がってできたのだという。観測によると、この塵は月面から巻き上げられてから10分間程度上空にとどまっており、平均で120kg分の塵が月の上空に常に存在するとのこと。最初の5分で100kmまで上昇して残り5分で落下しているそうです。常に120kg分あるということは、大気のない月では頻繁に月面に塵が衝突しているということになりますね。地球の場合も毎日100トンもの宇宙塵が降り注いでいるそうですから、近くの月にも5トン程度は頻繁に落下していると考えられるそうです。

この塵でできた雲は、これまで謎とされていた月面の発光現象の解明につながるのではないかと考えられています。アポロ計画でも宇宙飛行士が月の地平線上空に明るい光が見えたと報告しており、上空にある塵に太陽光が反射したと考えられたものの、大気のない月で上空まで塵が巻き上げられる仕組みはわからなかったとのこと。これを解明するため、月に到着した際に観測装置を設置し観測したところ、昼から夜に入る度に塵の増加が確認できたそうです。この観測結果を元に現在も調査中途のことですが、月面で時おり静電気が強まることがあり、この際に塵が宇宙空間まで巻き上げられているのでは、という説が支持を集めているとのこと。確かな理由はまだわからないそうで、身近な天体である月にも謎はまだまだ多いですね。

冥王星の衛星が予測不能な動き

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admin_mb 2015-6-7 9:16
冥王星に向けて今探査機ニューホライズンが向かっていますが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測により、冥王星の衛星が予測不能な奇妙な動きをしているのを観測したとのことです。

冥王星の衛星というとカロンが知られていますが、カロンは冥王星に比べてサイズが大きく公転の共通重心が冥王星とカロンの間の宇宙空間にあることから二重惑星とも呼ばれます。冥王星は惑星から準惑星になったので、二重準惑星になるんですかね。
冥王星には、カロンの他にニクス、ヒドラ、ケルベロス、ステュクスの4つの衛星がありますが、この内ニクス、ヒドラが奇妙な動きをしており、残り二つも同じような動きをしている可能性は高いそうです。
奇妙な動きというのはその自転で、不規則に回転しているそうです。一定方向に回転しているのではなく、一旦止まって別の方向に回ったりと揺らいでいるそうです。その原因として、冥王星とカロンが作る連星系をつくっていて、小さな衛星がその周りを公転していることが原因とされます。共通の重心を巡る冥王星とカロンですが、共通の重心を巡っているため双方の位置も揺らいでいます。この周りを周回していることから、不規則な自転になっているようです。

ニューホライズンが冥王星に最接近するのは2015年7月14日。太陽系の惑星で探査機による観測が行われていないのは、今では準惑星となりましたが、冥王星だけです。どんな姿を見せてくれるのか楽しみですね。

準惑星ケレスの“不思議な明るい点”

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admin_mb 2015-5-24 10:10
ケレスは火星と木星の間にある小惑星帯に位置する準惑星です。確か当初はセレスと表記されていたように思います。小惑星帯の最大の天体で、小惑星として初めて発見された天体でもあります。

ケレスは、見た目は地球の衛星である月と似たような外見でクレーターで覆われていますが、表面と岩石でできた核の間には氷でできたマントルが広がっているという説があります。となると、最近探査機「ドーン」によって撮影された写真に映る明るい点は氷が表面に現れたものなのか、という気がしてきますね。当初この写真が公開された際は、宇宙人の基地では、という反応も当然のことながらありました。最初に明るい点が見つかったとのニュースが流れてから暫くの間は情報が更新されず、いったい何があったのかとちょっと期待したりもしましたが、その後更に接近して撮影され公開された写真を見ると周りの灰色に比べひときわ明るく見えますが、不定形な形と配置からすると自然にできたもののように見えます。他のエリアにも、白くはないものの多少明るいところもあることから、地質的なものという印象です。ドーンは、4400kmの距離ままで接近するとのことですので、今後の情報公開を待ちましょう。

太陽系外惑星で初めて火山噴火を発見か

NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」の活躍もあり、発見された太陽系外惑星は既に軽く1000個を超えています。
様々な惑星が発見されていますが、「かに座55番星e」と名付けられた系外惑星において、1年の間に温度が1000℃から2800℃に急変していることが観測されたことから、この惑星表面で大規模な火山活動が起きている可能性が考えられるそうです。
この「かに座55番星e」は地球の約2倍の大きさがあり、表面温度は低温の場合でも約1000度とのことなので、惑星全体が溶岩で覆われているようなイメージでしょうか。温度の変化も、主星の周りにあるガスや塵によって惑星が遮られることで温度が下がったようにみえる可能性もあるそうです。もちろん、火山の噴火によって惑星が覆われていることも考えられます。

以前は太陽系外に惑星が見つかるだけでもすごいと思っていましたが、今は単に発見するだけではなく、その大気の調査からガス惑星なのか岩石惑星の区別が付くようになっており、巨大な嵐のような大気現象の観測もできるようになっています。今後更に観測、分析能力が上がれば、生命が存在する兆候を捉えることも十分可能ですね。2018年にハッブル宇宙望遠鏡の後継機となるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げが予定されています。ハッブルの口径2.4mに対し6.5m、どんな観測が行われるのか、系外惑星の観測でどう活用されるのか楽しみですね。

巨大ブラックホール同士が21年後に衝突?

至近距離でお互いを周回している二つのブラックホールが、将来、しかも21年という極めて近い将来、衝突する可能性があるとのことです。天文学的に21年なんて一瞬先という感じですね。
衝突が予想されている天体はクエーサーとのこと。クエーサーは恒星のようにみえることから以前は準星と呼ばれていましたが、現在では銀河の一種、活動銀河と考えられています。活動銀河とは、通常の銀河が星や星間塵、星間ガスといった構成要素からエネルギーを放出するのに対し、電波、赤外線、X線、ガンマ線等の電磁波のほぼすべての波長が放出されている銀河で、更にそのエネルギーの大半が中心部から放出されているという特徴をもつ銀河を指します。また、クエーサーは大きな赤方偏移を持っており、100億光年を超える遠方に存在しています。この頃は銀河団が形成され始めた時期とのことで、宇宙がまだ小さく銀河間の距離も小さいこともあり、ブラックホール同士の衝突は比較的よく発生していたと考えられるそうです。

今回の発見もそういったよく発生していた衝突となるのかどうか。今回の発表は、明るさの変化の周期から二つのブラックホールがお互いの周りを周回していると考えられ、更に降着円盤がこれらブラックホールを取り巻いていると考えられるとのこと。降着円盤というのは、ブラックホールに落ち込むガスや塵が集まり円盤状に形成されているものを指します。この発表の根拠となっている542日という明るさが変化する周期が正しいなら、2つのブラックホールの距離は非常に近く、21年後に衝突する可能性があるということですが、これに対しそんなにすぐに衝突しないという意見もあるそうです。今後の調査が待たれますが、いずれにしても今回の発表が正しいかどうかはそう遠くない未来にわかることでしょう。仮に正しくない場合は特にニュースになることもないでしょうが、衝突するとわかった場合は大きく取り上げられることを期待しましょう。

球状星団中で起こった惑星破壊

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admin_mb 2015-4-21 0:09
球状星団中で起こった惑星破壊

球状星団は、恒星が互いの重力によって球状に集まっているところからそのように呼ばれる星団です。数光年から10光年ほどの範囲に数10万もの星が集まっています。このように恒星が密集した球状星団において、惑星が破壊されたかも知れないとの観測結果が報告されました。

まず、天文衛星「インテグラル」により、かねてから中心にブラックホールが存在するとされていた「さそり座」の球状星団NGC6388に新たなX線源が検出されました。当初、ブラックホールに流れ込むガスから発せされている考えられましたが、X線天文衛星「チャンドラ」の観測によってX線源が星団の中心からずれていることを発見。更にガンマ線バースト観測衛星「スウィフト」による200日におよぶX線の強度変化の観測によって、X線が弱くなっていく様子が観測されました。この弱くなっていく様子は、惑星が白色矮星によって破壊された場合の理論モデルと一致したそうです。
このような理論モデルがあることも驚きですが、理論によると破壊された惑星は地球の1/3程の大きさで、白色矮星とは別の恒星の周りを周回していたと考えられるそうです。球状星団では恒星が密集しているため、惑星が白色矮星によって元の軌道から引き離されて破壊され、その際の破片が白色矮星に落下している際に放射されたものとのこと。

10光年の中に数10万もの星が集まっているというとかなり密集しているようですが、例えば0.5光年毎に星があるとして、10光年の立方体と考えると、10後年の間に70個の恒星があるとすると、70*70*70で34万3,000個。数10万ですからこれくらいとして考えるとしましょう。
10光年を70で割ると0.143光年、1光年は約9兆5,000億kmですから70で割ると大体1,357億km、太陽と地球の距離は1億5,000万km、海王星までの距離は約45億kmですから、それなりに遠いですね。とはいえ、この星団にある惑星から見ると夜空はかなり明るいことでしょうね。

H-IIA28号機で情報収集衛星「光学5号機」打ち上げ成功

H-IIAロケットによる打ち上げも成功が続き嬉しい限りです。
さて、今回打ち上げられた情報収集衛星ですが、発表されている解像度40cmについて、Google Mapに画像を提供している会社が最近解像度30cmのデータを提供し始めたということで、民間会社が運用する衛星よりも解像度が低く役に立たないのではないかという記事もみかけます。

確かに解像度は重要です。米軍の偵察衛星はハッブルと似た設計の衛星を複数運用していて、解像度も10cmを切ってるそうですし。ただ、解像度以外にも画像の解析技術は重要でしょうし、それにこれは偵察衛星ですから性能を正直に発表しているとも限りません。自前の衛星ですから、いつ撮影するかを自ら決定できるというところも重要ですし。まあいずれにしても、専守防衛の日本としては情報収集に力を入れてほしいものです。

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