リングの高さとコートの広さが決まりましたので、次にプレイスタイルについて考えてみましょう。重力が小さい分高くジャンプできますが、それだけでなく走り方も地球上と同じようにはいかないでしょう。体重も1/6になりますので、地球の感覚で走ると予想以上に体が浮いてしまい、一歩の距離も長くなるので三段跳びのような走り方になりそうです。
アーサー・C・クラークの小説「神の鉄槌」の中に月面での長距離走の場面があります。そこでは歩幅を小さく小刻みに走るのと、大きく跳躍しながら走るのではどちらが効率的で速いか、といった話が出てきます。小説では後者の方が効率良く走れるということになっていましたので、ここでは長距離走ではなく短距離ですが、クラークを尊重し歩幅を大きくして走るものとしましょう。多分、地面を蹴る力が上ではなく前の方向にかかるよう意識して走ることが必要で、速く走るには地球よりも前傾姿勢を大きくし、ひざを胸により引きつけてコートを後ろに蹴って走る、という感じでしょうか。一歩の幅が長くなるので、大きく跳躍しながら走る事になります。
ただ、バスケットボールのコートはそれほど広いわけではなく走る距離も短いので、全力疾走しようとすると数歩で端から端まで走ってしまうことになるでしょう。速攻時は大きな歩幅数歩でゴール近くに達し、前傾姿勢をすばやく起こしてジャンプ、ということになりそうです。
ではムーンバスケットボールでのドリブルはどんな感じになるでしょう。まず、ボールは地球と同じバスケットボールを使うものとします。バスケットボールのボールは結構重く反動も強いものですが、体重が地球の1/6になっているとはいえボールの重さも同様に1/6になり、ドリブルの際にコートから跳ね上がってくるボールの反動を腕の屈伸で吸収できますし、ボールと体重の比率は変わりませんので地球上と同様にドリブルできるものと考えています。
歩きながらのドリブルやゆっくり走りながらのドリブルは腕の力でボールをコントロールできますので地球と同じように見えるでしょう。違いとしては、ドリブルの際にボールが手についている時間が長く、地球の感覚だと手でボールを掴んでいるかのように見えるところでしょうか。また、走りながらドリブルする際には歩幅が大きく滞空時間も長いので、数歩でゴール近くまで達することでしょう。
地球上のバスケットボールのリングの高さとの比較とコートの広さのイメージ:
ゲームについて |
シュート |