実際のところ、月面で人が生活するようになったとしても、南極の基地ような研究目的の隊員が長くて数年滞在するような場所でしょう。体力維持や自給自足のための設備や施設はできるにしても、このサイトで考えるようなバスケットボールができる体育館ができたり、ましてや月面への移住が始まりそこで子供が生まれ学校ができ、独立した経済圏となるようなことは将来にわたってもまずないのではないかと思います。
かつて21世紀が明るい未来だと考えられていた70年代あたりに、海底都市の想像図を見たことがあります。当時の理屈としては、人口の増加によって地上に住むところがなくなり海底に都市が築かれるようになるというものだったと思うのですが、実際には海に埋立地はできても海底にまで都市を建設するという話は計画にもあがっていません。東京のような人口密集地で人口が増え続けているところでさえ住むところが足りないという話は聞きません。
月面も同じようなもので、地球上に住むところはたくさんあり、しかもいわゆる先進国では出生率が下がり人口も減少傾向にあることから、地球外に居住地を広げようということにはまずならないでしょう。地球の軌道上の国際宇宙ステーションでさえ維持するのが大変な中、月までの補給が継続できるかも疑問です。
あり得るとしたら、地球外、地球の軌道上で産業が発展し宇宙ステーションが拡大発展して地球外に滞在する人口が増加、資源面で月や小惑星帯の利用が盛んになるという流れができた場合でしょうか。更に軌道エレベーターが実現して宇宙に行くコストが劇的に安くなり、月の資源が有用で、月面に人が常駐することが必要とされるような状況になる、という流れが理想的です。このサイトで考えたムーンバスケットボールは、このような流れで月面にまで人類の活動圏が広がった世界を舞台にしたものです。ありえるとしても、早く見積もっても22世紀後半でしょうか。
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