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民間初の小惑星捜索ミッション発表

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admin_mb 2012-6-30 11:00
民間初の小惑星捜索ミッション発表

民間宇宙線の話題も珍しくなくなりましたが、宇宙探索にも民間が進出する予定があるそうです。
計画によると、2017年か2018年に小惑星探索用の宇宙望遠鏡を打ち上げ、太陽系内の小惑星マップの作成を目指すとのことで、小惑星探査機を打ち上げるわけではないようです。この計画を進める財団では既に1万個ほどの地球近傍小惑星を発見しているそうですが、まだ未発見領域が残っているとし、このミッションの目標として、地球近傍小惑星の現在および今後の軌道を明らかにすることで、地球への壊滅的被害を防ぐこと。地球全体を滅ぼすことはなくても、複数の都市を消し去る威力を持つ比較的発見しづらい小惑星は推定で50万個ほど存在するそうで、NASAでも取り組みを開始しているものの、地球軌道を横切る前領域の98〜99%はまだ地図化されていないそうです。確かに、地球接近の数カ月前に発見される小惑星があることからしても、未知の小惑星の軌道は多数残っていそうですね。

この望遠鏡は、地球の軌道上ではなく太陽を周回する軌道に投入され、26日毎に観測を行って移動している天体を見つけ分析用データを送信するとのこと。これによって地球に危険をもたらす小惑星を速やかに発見することが期待されています。

火星内部に大量の水、火山噴火で地表へ

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admin_mb 2012-6-28 23:53
火星内部に大量の水、火山噴火で地表へ

火星の地下にも地球のようなマントルがあり、ここには大量の水分が閉じ込められていることが明らかになったとのことです。これは火星探査機による調査ではなく、火星から飛来した隕石の調査により発見されたとのこと。隕石には、結晶構造の中に水分を含む「含水鉱物」が大量に含まれており、その量は地球の上部マントルに存在するものと同等以上とのこと。このデータを元に分析した結果、現在の火星のマントルには70〜300ppm、液体にすると火星全体を水深200〜300メートルで覆えるほどの量の水分が含まれているそうです。

今回の研究対象となった隕石は、3億5000万年〜1億5000万年前に生まれた極めて若い玄武岩とのこと。玄武岩は地下深くのマグマが噴火によって地表に運ばれ形成されたと考えられることから、大規模な噴火があるたびに大量の水が地表に運ばれたと考えられるそうです。火星は過去に温暖だった時期もあるため、そのような頃には火山噴火後に地表に液体の水が存在した可能性もあるとのこと。水が存在した期間が長ければ、生命が生まれた可能性もありますね。

また、マントルに大量の水分が存在するなら惑星が形成された後に水分を含む彗星や小惑星によって水が運ばれる必要は必ずしもなく、他の岩石惑星や小惑星も同様に水分を含む可能性があるとのこと。地球誕生のイメージでは、隕石がぶつかってマグマの塊のような状態の地球に彗星が降り注いで海が形成されるようなものがありますが、必ずしもそのようにして海が生まれたわけではないのかも知れませんね。

月の砂の謎、ナノ粒子モデルで解明?

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admin_mb 2012-6-23 23:50
月の砂の謎、ナノ粒子モデルで解明?

月を覆う砂は月面を舞うことがあり、また深さ2mの地点の温度は表面と比べ167度も低いことがあるそうです。月の大気は地球の10京分の1と極めて薄いというかほぼ真空なので、砂が月面を舞うというのは意外でした。真空の環境では、日向と日陰で温度が極端に異なるという説明を見たことがありますので、表面の熱の伝導があっても日陰の低温の伝導もあるわけですから、2mの深さがあれば167度もの低温になっていても不思議ではない気がします。

さて、今回オーストラリアの研究チームから発表された内容によると、月には大気がないので微細な隕石も月の表面に達し、その衝撃で月の岩石の一分が融解しガラス質の泡が形成されるとのこと。1970年にソビエト連邦の無人探査機ルナ16号が月から持ち帰ったガラス質の泡を分析したところ、地球上なら泡の内部に気体が入るのに対し、見たことのないガラス状の微粒子が多孔質の網の目のように結びつき、泡の内部全体に広がっていたそうです。この微粒子はナノサイズと非常に小さくその挙動は量子力学の法則に従うそうで、そのため一般的な物質の電気的性質や伝導性に影響を与えるとのこと。月の砂が静電気を帯びていたり月面を舞うことや異例な断熱性を持つことも、このナノ微粒子が原因と考えられるのではないかとのことです。ただし、月の一箇所から採取された試料だけでは微粒子が内部を埋め尽くすガラス質の泡が一般的な存在かどうかはわからないことから、この発表に対しては異論もあるようです。

さて、月の砂というと思い出すSF小説はクラークの「渇きの海」ですね。発表されたのは1961年ですからアポロ計画よりも前になります。舞台は月で、月面には流れる砂の海があるという設定で、ここを観光客を乗せた船が行き来しているのですが、地殻変動により一席の観光船セレーネ号が砂に飲み込まれます。この救出作業を、当時知られている知識と仮説を元に科学的に描いた、臨場感のある物語です。

「渇きの海」アーサー・C・クラーク

大規模小惑星が地球近傍を無事通過

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admin_mb 2012-6-16 9:07
大規模小惑星が地球近傍を無事通過

2012/6/15、直径約500メートルの小惑星が地球の近くを通り過ぎました。このような地球の近くを通る小惑星は地球近傍小惑星と呼ばれ、地球から約1億9500万キロ以内まで接近する小惑星や彗星が含まれます。地球と太陽の距離は1億5000万キロですから、近いとはいっても結構離れているような印象を受けます。この地球近傍小惑星は約9000個の存在が確認されていて、更に1300個程度は地球に衝突する恐れのある小惑星に分類されているそうです。衝突の恐れというのは、地球から約740キロ以内まで接近する直径150メートル以上のものを指すとのことです。740キロというと、東京から山口県くらいまでの距離で、地球の直径が約1万2700キロですから直径の1/17、かなり近いですね。

この小惑星は6/10から6/11に撮影された画像から発見されたとのことですので、6/15の最接近の直前です。500メートルクラスの小惑星で地球近傍小惑星の約半数はすでに見つけているそうで、今後このような小惑星が最接近の直前に見つかるケースは減る見込みとのことですが、まだ半数もあると考えると今後も直前に見つかることでしょう。

この小惑星の次回接近は2016年、この際も地球からは充分遠いそうですが、これまで見つかってなかったものが地球の近くを通り過ぎるのようになったわけですから、いつかは地球のすぐ近くを通るようになるかも知れませんね。

屋久杉から奈良時代の天文現象の痕跡?

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admin_mb 2012-6-10 23:56
屋久杉から奈良時代の天文現象の痕跡?

屋久島で採取された2本の杉に含まれる放射性原子の量を測定したところ、約1200年前に急増した時期のあることが判明したとのことです。1200年前、西暦774年から775年の間に炭素14の量が1.2%増加しており、通常の変動率は年に0.05%に比べると20倍以上の変動率ということになり、何らかの天文現象によって宇宙線が当時の地球に降り注いだことを示すのではないかと考えられるそうです。
宇宙線は、超新星爆発や太陽のスーパーフレアによって発生します。高エネルギーである宇宙線が地球の大気中の原子としょうとすることで中性子と亜原子粒子が遊離。遊離した中性子は更に大気中の窒素と結びついて炭素14という通常の炭素よりも重い放射性炭素が生成されます。炭素14というと化石の年代測定にも使われることで知られますが、炭素14は光合成によって樹木に取り込まれ、更にこれらを食べる動物の体内にもトリマれることから、樹木や骨に含まれる炭素14の崩壊率を調べることで、遺物の年代を測定することができます。

この記事によると、同年代における歴史上の記録は存在しないとのことですが、このニュースが出た日のtwitterタイムラインでは、中国の「新唐書」の「天文志」に「大暦2年(767年)の7月、太陽の脇に青と赤の気が有り、長さが四丈ほど。[同月]太陽の上に赤い気があり、長さが2丈ほど。9月にも太陽に青と赤の気が。3年正月には太陽に黄色の冠のような気があり、赤と青の気もまわりにあった。」という記述があるとのこと。真偽の程はわかりませんが、仮にこれが原因とすると大規模な太陽フレアが発生したのかも知れませんね。

天の川銀河とアンドロメダ銀河、40億年後に衝突

ハッブル宇宙望遠鏡によるアンドロメダ銀河の特定の領域に対する5年以上の観測・分析の結果、アンドロメダ銀河は40億年後に地球が属する天の川銀河と衝突・合体するとの確証が得られたとのことです。2つの銀河が完全に合体するまでには、衝突が始まってから20億年はかかるとのことで、合体すると宇宙によく見られる楕円銀河になると予測されるとのことです。アンドロメダ銀河が時速40万2000キロで天の川銀河に接近していることは既に知られていたそうですが、どのような形でしょうとするかは過去100年以上にわたり謎だったそうで、ハッブルの観測によって謎の一つが解明されたということですね。

衝突とは言っても、銀河内の星は距離が離れているため星同士が衝突する可能性は低いそうです。宇宙の広さを説明する際に、太陽の大きさや太陽と地球の距離を身近なものに置き換えて説明する場合があります。私が印象に残っているのは、太陽をソフトボール大、直径約10cmにした場合の例です。この場合、太陽の直径140万キロを140億分の1にしていますので、地球の直径1万2千738キロの同縮尺は1mm以下の約0.9mm、距離は10m程となります。結構離れていますね。また、準惑星の冥王星は400m離れていることになります。地球から最も近い恒星であるアルファ・ケンタウリは太陽から4.37光年の距離ですので、同じ縮尺だと2970キロ離れています。東京からマニラまでが約3000キロですので、東京とマニラにソフトボールがあるような密度です。星がこのような密度で集まっているのが銀河系ですので、この銀河が衝突したからといって、星と星がぶつかる可能性が低いというのも納得できますね。

さて、SFの世界では銀河をまたにかけた物語は珍しくありません。光の速度で何年もかかるような距離も、ワープ航法という超光速航法によりものともしません。ところで、タイムマシンやワープ航法のように、実在しないテクノロジが共有され、色々な小説やドラマ、映画で登場します。このような技術の中でちょっとマイナーなものに「アンシブル」というものがあります。ル・グィンのハイニッシュ・ ユニバースシリーズに登場する超光速通信技術で、何光年も離れた距離感でリアルタイムな通信を可能とする技術です。これはダン・シモンズ、ヴァーナー・ヴィンジ、オースン・スコットカードの小説や、以前紹介したエリザベス・ムーンのヴァッタ航宙シリーズでも登場します。ヴァッタ航宙シリーズではアンシブルの仕組みが重要な役割を果たすエピソードがあります。

民間宇宙船ドラゴン、打ち上げに成功

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admin_mb 2012-5-28 0:10
民間宇宙船ドラゴン、打ち上げに成功

スペースX社のロケット「ファルコン9」が無人のカプセル型宇宙船「ドラゴン」の打ち上げが成功し、国際宇宙ステーションとのドッキングを成し遂げました。民間の宇宙船と報道されていますが、NASAとの共同チームでの成功とのことです。とはいえ、スペースシャトル計画が終了した今、国際宇宙ステーション存続のために今回の打ち上げが成功したことの意味は大きいとおもいます。

さて、SFの世界で宇宙船はおなじみです。民間の宇宙船はもちろん、古き良きSFなら1科学者が開発した宇宙船も珍しいものではありません。宇宙船と聞いて思い当たるものというと、やはりドラマや映画に出てくるものが多いですね。小説だと、ビーグル号やコメット号、ドーントレス号、ロジャー・ヤング等、昔のSFに登場するものが主な気がします。今時のSFでは宇宙船による探検ものはさすがに流行らないので、ミリタリー物かブリンの知性化シリーズに登場するキスラップ号、あたりでしょうか。

その中で宇宙船が活躍するシリーズで気に入っているのが、エリザベス・ムーンのヴァッタ航宙シリーズです。エリザベス・ムーンというと「くらやみの速さはどのくらい」が有名で名作ですが、他に女船長「カイラーラ・ヴァッタ」シリーズがあり、これが実に面白いのです。主人公は航宙会社を経営する一家の娘で、士官学校を退学になった後おんぼろ貨物船の船長を父親から命じられ、その船の退役まえの最後の航海として辺境星域で貨物を運ぶことになります。安全で簡単な仕事のはずが大きな陰謀に巻き込まれていくという物語で、「栄光への飛翔」「復習への航路」「明日への誓い」の三巻が出ています。恐らく「くらやみの速さはどのくらい」で感動した人はこのシリーズを読むと面食らうのではないかと思うくらい全く異なるタイプの小説ですが、それでもストーリー展開の上手さや主人公の魅力で物語に引きこまれます。

「栄光への飛翔」エリザベス・ムーン


2012年5月21日の金環日食

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admin_mb 2012-5-27 16:39
2012年5月21日、日本国内では25年ぶりとなる金環日食が観測されました。筆者の自宅でも幸い金環日食前後の30分程度、ベランダから観測できました。金環日食の際にちょっと空気が冷たくなったような感じがして風も吹いてきたのと、ふだん朝に聞くことのないカラスの鳴き声が聞こえてきたのが印象的でした。後、意外と暗くならないと思ったのですが、よく考えると今回の日食は金環日食で皆既日食ではないのです。皆既日食は観たことがないのですが、テレビで観た際には結構暗くなっていましたので、日食というと暗くなるイメージがあったようです。

子供の頃に不思議に思っていたのですが、月は約一ヶ月で地球の周りを回っているのに、なぜ毎月日食がないのかということです。毎月必ず地球と太陽の間に月が位置することになりますし、しかも一ヶ月で一周ということは太陽方向に暫くの間は位置しており、更に地球は1日1回自転しているわけですから、毎月数日の間は日食になってもおかしくないのに、と思ったものです。日食が見られる仕組みの図解を見ると、そのように思う人も多いのではないでしょうか。
なぜ毎月日食や月食が観測できないか。これは、白道面と黄道面、つまり月が地球の周りを周回する軌道面と、地球が太陽の周りを周回する軌道面が5度程ずれており、月は横道面から5度北に行ったり南に行ったりしているためです。更に黄道も天の赤道(地球の赤道を宇宙に延長した面)に対し23度程傾いています。地球と月は38万4400キロ程離れていて、これは地球の直径の30倍程の距離です。このくらい離れていると、軌道面のずれの影響で日食や月食は滅多に起きません。よく見かける日食や月食を説明する図は、地球と月の大きさの比率は合っているものの、距離はディフォルメされてかなり近くに描かれています。そのため実際の距離感がわかりにくいのです。例えば、Windows7のスタートボタンの直径は約30ドットです。これを地球とすると月は1110ドット離れた場所、XGAディスプレイだと横1280ドットですので、右から170ドットの位置にスタートボタンの1/4の直径で位置することになります。結構離れてますよね。

接近中の小惑星、衛星に衝突の可能性も

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admin_mb 2012-5-20 23:40
接近中の小惑星、衛星に衝突の可能性も

2012年2月に発見された小惑星「2012 DA14」が2013年2月に地球の近傍を通過する際、通信衛星と衝突する可能性があるそうです。通信衛星というと静止軌道ですので高度は約36000キロ、地球の直径の約2.8倍のところを周回していますので、結構近くを通過します。

NASAによる計算では、今後数十年の間に地球に衝突する確率は0.031%とのことですが、2013年の接近の際に得られるデータによって、この計算は若干修正される見込みとのこと。2013年や次回の接近2020年に地球に衝突することはまずないでしょうが、将来的には衝突の可能性もあるそうです。ただし、この小惑星の直径45メートル、14万トンは小型とのことで、仮に地球に衝突するとしても南極周辺の可能性が高く、2.4メガトン(TNT火薬240万トン)に匹敵するエネルギーが放出される見込みにも関わらず、幸い文明が崩壊するような自体になることはまずないそうです。

衛星タイタンの大気、生命には若すぎ?

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admin_mb 2012-5-12 11:33
衛星タイタンの大気、生命には若すぎ?

土星の衛星タイタンといえば厚いメタンの大気に包まれた衛星として知られており、地球外生命が存在する可能性も指摘されていますが、最新の研究で大気が厚さを増したのは比較的最近とのことで、この生命が存在する可能性に疑問符がついたそうです。

表面温度が摂氏マイナス178度のタイタンに生命が存在する可能性が指摘されるのは、液体の水の代わりに液体メタンの湖が存在し地球の水と同様の役割を果たしていると考えられること、厚いメタンの大気が太陽の熱を閉じ込めエネルギー源として役立つこと、更に炭素系の有機分子が存在すること、が挙げられます。

タイタンのメタンの大気は太陽光で分解されてより複雑な有機物質に転換し、その一部が雨となって地上に降り注いでいるとのこと。この転換は質量数の少ない”軽い”炭素を含むメタンは”重い”炭素を含むメタンよりも若干早く転換することから、長期的には重いメタンの相対的な濃度が増えていくとかんがえられることから、これらメタンの比率の変化をたどることで、大気自体の年代を推定できるそうです。

まず、タイタンのメタンが大規模な天体衝突で内部から放出されたものと仮定。軌道周回機カッシーニとカッシーニから放出されタイタンに着陸したホイヘンス・プローブが検出したメタンの赤外線データと、ホイヘンスが採取した低層大気のサンプルを調査したところ、現在の分厚い大気の年代は16億年程度と推定されるとのこと。約46億年される太陽系の年齢からすると16億年は比較的最近であることから、誕生に長い時間がかかる生命の存在の可能性が小さくなったのではないかとのことです。

天の川銀河を周回する巨大な“構造物”

地球が属する天の川銀河の周囲を、伴銀河(衛星銀河)や星団からなる”構造物”が回っていることが明らかになり、この発見は暗黒物質の理論に疑問を投げかける可能性があるとのことです。
銀河系の外縁部に位置する恒星が、より内側にある恒星と同じ速度で銀河中心部の周囲を回っていると見られており、重力の法則に従えば中心部から遠い恒星がそのような速度で移動すれば銀河系から離れていくはずです。ここに暗黒物質の質量が加わることで、外縁部の恒星は銀河系に留まっていると考えられているのです。

天の川銀河の円盤に対して垂直な平面を約20の矮小銀河や球状星団等が周回しているとのこと。暗黒物質の存在を前提とするモデルでは、天の川銀河の伴銀河は様々な方向からやってきて、銀河のほぼ球状の周囲に落ち着いたと予測されているそうで、今回の発見は理論上暗黒物質が存在しないことを示すそうです。
ただし、2つの銀河の衝突を想定すれば矮小銀河の位置は説明できるそうですが、矮小銀河の挙動は説明できないとのこと。矮小銀河は目に見える物質の量だけでは説明できない挙動を示しており、暗黒物質の存在はまだ否定できないそうで、まだ暗黒物質が有望な理論であることに変わりがないそうです。

天の川銀河に100億の地球型惑星

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admin_mb 2012-4-30 23:50
天の川銀河に100億の地球型惑星

少し前の欧州南天天文台(ESO)の発表によると、地球が属する天の川銀河には生命が存在する可能性のある地球に似た惑星「スーパーアース」が数百億個存在すると推計されるとのことでした。1995年に設立された共同プロジェクト「PLANET(Probing Lensing Anomalies NETwork)」によって2005年から6年間に渡り行われた、数百万の恒星に対する重力マイクロレンズ現象を捉える観測でも、我々の天の川銀河に100億もの地球型惑星が存在する可能性があるそうです。調査によると、観測対象の恒星は平均して1つ以上の惑星をもっており、地球から50光年の範囲内に1500以上の惑星が存在する可能性があるとのこと。また木星サイズの惑星よりも地球サイズの惑星の方が遥かに多く存在するとしています。

惑星自体は宇宙でありふれたものかも知れませんし、彗星の有機分子が生命の起源だとすると生命自体も宇宙では珍しくないかも知れません。ただ、地球以外の知的生命とコンタクトできるかとなるとタイミングが難しそうです。例えば、地球の歴史を見ても、6400万年前の恐竜絶滅や全球凍結等で何度もの大量絶滅を経て現在に至っています。これらイベントがあるかないかで、現在のような文明の出現までに1億年程度のタイムラグがあるはずです。現在の地球は科学技術が発展しているとはいえ、せいぜいここ100年程度の出来事で、地球の歴史からみると一瞬です。

とはいえ、何万光年もの先の天体の観測は何万年もの過去を観測しているわけですから、広い宇宙の中に文明の痕跡、発信された電波を見つける可能性は決して低くはないのではないかと思います。

暗黒物質、太陽近傍には存在せず?

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admin_mb 2012-4-22 10:17
暗黒物質、太陽近傍には存在せず?

暗黒物質の粒子は現在の技術では検出できませんが、目に見える物質に及ぼす重力効果から、暗黒物質は宇宙のおよそ1/4を占めると考えられています。ただ、太陽の周辺ではその存在を示す観測結果は得られないそうです。

暗黒物質は1930年代にその存在が示唆され、銀河形成理論に不可欠な要素となっています。
銀河系の外縁部に位置する恒星が、内側にある恒星と同じ速度で銀河中心部の周囲を回っていると見られており、重力の法則に従えば中心部から遠い恒星がそのような速度で移動すれば銀河系から離れていくはずです。ここに暗黒物質の質量が加わることで、外縁部の恒星は銀河系に留まっていると考えられているのです。

現行の銀河の形成および回転のモデルでは、天の川銀河は暗黒物質の雲によって包まれているとされており、太陽の周辺領域にも相当量の暗黒物質が存在すると予想されていたそうです。今回の観測結果が暗黒物質の存在を否定することにはならない様ですが、まだまだ宇宙には謎が多いということですね。

さて、暗黒物質はSFでもおなじみの物質ですが、メインテーマになることは知る限りないので、あまり記憶に残りません。その中でバクスターのジーリー・クロニクルというシリーズに登場する「ジーリー」という種族は特徴的です。ジーリーはこの宇宙の誕生後に最初に生まれた知性で、光速を超える宇宙船、恒星をいとも簡単に破壊できる兵器、数百億年を遡る時間航行等、超技術を持つ種族です。彼らは同じく宇宙誕生直後に生まれた暗黒物質生命体を相手に、通常物質と暗黒物質の命運をかけた戦いを200億年続けています。こんな世界を舞台に、人類がジーリーと並ぶ支配種族にまで上り詰めるという物語です。この経緯を人類視点から未来視として描くのがこのシリーズです。
このように見ると非常に面白そうなのですが、ジーリー・クロニクルは何冊か読んでいるものの、あまり記憶に残っていないということはそれほど気に入らなかったのかも知れません。超文明ものが好きな人には合うではないでしょうか。

「プランク・ゼロ」スティーブン・バクスター

火星の生命、30年前に発見?

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admin_mb 2012-4-16 23:50
火星の生命、30年前に発見?

1976年、NASAは火星探査機バイキング1号、2号を送り込みました。探査機には、生命の存在を確かめるための実験装置が搭載されており、当時の実験では生命の存在の可能性は認められないと結論されました。 実験は複数の方法で行われ、一つは標識放出(Labeled Release:LR)装置と呼ばれるもので、採取した火星の土壌に栄養素と放射性炭素原子を含んだ少量の水が加えられました。土壌に微生物が存在すれば、栄養素を代謝した結果が検出されるというものです。もう一つは複数の土壌サンプルに対して栄養素を含む水を添加し、それぞれ数種類の温度まで熱するもの、光のない環境に長期間放置するというものでした。
これら実験の結果、LR実験では生命の存在を示したものの、もう一方の実験では生命の存在が示されなかったことから、NASAは生命存在の可能性は認められないと結論付けました。

今回行われた研究では、バイキングが収集したLR実験のデータの解析に、生物の痕跡と非生物の痕跡とに分類する数学的手法、クラスター解析を用いたとのこと。この結果、LR実験は火星の土壌から微生物の痕跡を確かに発見していたとの結論に達したそうです。ただし、LR実験で微生物の痕跡を確認したというのはバイキングで行われた実験と同じ結果であり、改めて別の手法でもLR実験と同じ結果を確認したということのようです。

大量の小天体が地球を周回

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admin_mb 2012-4-9 23:08
大量の小天体が地球を周回

まだ観測されていない無数の小さな小惑星が地球の周回軌道を周回している可能性があるそうです。地球と月の間を通る既知の小惑星は10万個にのぼり、これらを対象としたコンピュータシミュレーションにより、地球の公転軌道に近い軌道を持つ小惑星は地球の重力に捉えられ、地球の衛星になる可能性が高いとのこと。計算によると、18,000個の小惑星が地球の重力に捉えられ短期間地球を周回する軌道に入ることがわかったそうで、任意の時点においては、洗濯機サイズの小惑星が1個か2個、ソフトボール大の小惑星が1,000個程度が地球を周回していることになるそうです。地球の重力に捉えられた天体の周回軌道は複雑で入り組んだものとなるため、地球に捉えられた小型の衛星が地球を周回する期間は1年に満たず、その後は太陽を周回する軌道に戻るか地球に落下するとのこと。

今回のモデルでは、かつてもっと大きな天体帯を軌道に捉えた可能性もあるそうです。試算では、50年に1度の間隔で直径約10メートルの天体が月に衝突していることが判明、更に10万年に1度直径100メートル級の天体が地球の重力に捉えられる可能性があるとのこと。6400万年前の隕石落下が恐竜絶滅の原因になったそうですが、将来いつかは大きな小惑星落下の危機がくるんでしょうね。

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