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運営者ブログ - 最新エントリー

最も近い恒星系に地球大の惑星を発見

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admin_mb 2012-10-22 23:59
最も近い恒星系に地球大の惑星を発見

日本からは見えませんが、太陽から最も近い場所に位置する恒星ケンタウルス座アルファ星には惑星が少なくとも1つ存在し、今後更に見つかる可能性があるとの研究結果が発表されたとのことです。この発見は、スイスの研究チームがチリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の3.6メートル望遠鏡を使って、4年間ほぼ休みなしに観測して収集したデータを高精度視線速度系外惑星探査装置を用いて分析することで発見できたそうです。このチームはこれまでに840を超える系外惑星を発見しているとのこと。惑星の発見には、公転する惑星の重力場により恒星が引っ張られ、これにより発生する地球に対する恒星の距離のわずかな変動を検出する視線速度法という手法を用いたとのこと。更に、地球から見て恒星の表面を横切る惑星によって定期的に変化する恒星の明るさを検出するという方法で今回の発見を裏付ける予定とのこと。

アルファ星は連星として知られていますが、今回発見された惑星は小さいほうの恒星アルファ星Bのごく近く、約640万キロの距離を公転していることから、溶岩のような表面を恒星に向けているのではないかと考えられるそうです。太陽系の水星は太陽から約5,800万キロの距離ですからかなり近いですね。それでも地球から最も近い太陽系外の惑星であることから、画期的な発見といえるでしょう。また、連星とはいってもアルファ星Aとアルファ星Bの距離は最短で11AUとのことですから、約17億光年とかなり離れていますので、それぞれの恒星をめぐる惑星は今後も見つかる可能性は高いでしょう。ハビタブルゾーンに惑星が見つかる可能性もありますので、今後の調査を期待したいところです。

さて、SFの世界でケンタウルス座アルファ星は時おり登場します。アシモフのファウンデーションシリーズとロボットシリーズは元々は別のシリーズで時代も異なりますが、これらを一連の宇宙史ものとしてつなぐための小説が何作が発表されており、その中に既に伝説となっている人類発祥の惑星である地球を探すという物語があります。その旅の途中でアルファ星系の惑星を訪れるというエピソードがありました。
また、ソーヤーの「イリーガル・エイリアン」では、アルファケンタウリからエイリアンが地球を訪れます。ファーストコンタクトものですが、地球人の惨殺したいが発見され容疑者としてエイリアンがつかまり裁判になるという物語です。

「イリーガル・エイリアン」ロバート・J・ソーヤー

ダイヤモンドでできた惑星を発見

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admin_mb 2012-10-13 23:50
ダイヤモンドでできた惑星を発見

地球から約40光年に位置する2011年に発見された惑星「かに座55番星e」は、大きさが地球の約2倍、質量は8倍の岩石惑星で、スーパーアースに分類されます。この惑星の公転周期は18時間、主星のすぐ近くを周回しており、表面温度は摂氏2150度に達するとのこと。このような環境が、この惑星に存在する炭素と合わせダイヤモンドの生成に最適な条件になっているそうです。

NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡による観測と、これを元に作られたコンピュータモデルによって作られたこの惑星の化学組成の推測によると、ダイヤモンドを豊富に含んでいると見られるそうです。主に炭素でできていると考えられる惑星は過去に知られておらず、惑星の化学組成の種類に関する理解を根本から変えるものとのこと。「かに座55番星e」の主星が含む炭素は、太陽の炭素量を遥かに上回るとのことで、主星を周回する惑星も同じ物質の原始円盤から生まれたと仮定すると、炭素で豊富な惑星になるということのようです。なお、太陽系の場合は主に酸素とケイ酸塩からなるとのこと。

ダイヤモンドでできた惑星はSFの世界で夢見られてきたもの、とと紹介されている記事を見ましたが、SFでダイヤモンドの惑星が出てくるものがあったかと考えてみたのですが、ディレイニーのノヴァは超新星の話でダイヤモンドではなかったし、レナルズの短編にあったかとも思いましたが違うような気もします。で、検索してみるとトム・ゴドウィンの中篇に、炭素含有量が非常に多い惑星に宇宙船が不時着する物語があるそうで、土壌のほとんどがダイヤモンドで、ダイヤの砂嵐により大気にダイヤの砂塵が充満している世界を舞台にしているようです。金属できた機械の磨耗が早く、いかにして脱出するかという話のようです。

銀河系ブラックホールの近くに恒星発見

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admin_mb 2012-10-9 23:43
銀河系ブラックホールの近くに恒星発見

銀河系の中心部には巨大なブラックホールが存在しますが、そのブラックホールのすぐ近くを高速で集会する恒星が発見されたとのことです。S0-102と名付けられた恒星はブラックホールの周りを11.5年で周回しており、速度は最大10,600キロ/秒とのこと。銀河系中心部のブラックホールの近くを周回する恒星は今回の発見が2つ目で、最初に見つかった恒星S0-2の軌道周期は16年とのこと。今回発見された恒星は、大型天体の中では最も銀河系の中心部に近い位置にあるそうです。
単純計算で、1年365日で994,519,296,000キロ、3.14で割って更に1/2にしてブラックホールまでの距離を計算すると、158,362,945,223キロ、1583億キロ。地球と太陽の距離が1億5,000万キロですからその1,000倍の距離にある軌道を11.5年周期で周回していることになりますね。

発見された恒星が周回するブラックホールは地球から2万6,000光年の距離にあり、大きさが太陽の10倍にも関わらず400万倍の質量を持つとのこと。いて座の方向にあることから「いて座Aスター」と呼ばれます。今回の発見で恒星の軌道の検証が可能になったとのことで、更にブラックホールの巨大な質量によって時空間が歪むという理論が正しければ、周回の度に軌道が少しずつずれるはずです。 今回発見されたS0-102の明るさはS0-2の1/16しかないそうですが、技術の進歩によって発見されたとのこと。今後も更に他の恒星が見つかるかもしれません。ブラックホールによる時空のゆがみの効果の検証には、他の恒星の重力による影響を説明できることが重要とのこと。アインシュタインの一般相対性理論の過去最大の規模で検証できる機会が訪れたと期待されているそうで、今後の研究の成果に期待しましょう。

火星に広範囲な水系、川床の跡を発見

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admin_mb 2012-9-30 16:44
火星に広範囲な水系、川床の跡を発見

火星探査機キュリオシティが水の直接的な証拠を見つけたとの発表がありました。
発表によると、丸い小石や砂利を発見したとのことで、現在は乾燥している火星ですが、過去には数千年から数百万年にわたり水が流れていたと考えられています。今回見つかった小石や砂利は水が流れていたことを示す直接的な発見とのこと。個人的な感想としては、強風で転がったり風で吹き飛ばされる砂塵によっても小石や砂利の表面は削らた可能性もあると思いますが、発表によると風で運ばれるには大きすぎるとのことです。確かに火星には大気があるとはいえ、大気圧は地球の千分の一程度ですからね。いずれにしても小石はキュリオシティ搭載の実験設備で分析されるとのことなので、その結果を待ちたいと思います。

火星表面の衛星写真を見ると、いかにも水が流れたように見える地形が多く見られます。実際に水が流れていたのか、流れていたのならいつ頃までどの程度の期間流れていたのかを知るにはやはり火星表面で活動する探査機による分析が必要です。最新の探査機は写真も鮮明で、砂漠のような光景でも火星の光景だと思うと感動的です。とはいえ、私は火星の青い夕焼けや広がる砂漠の風景よりも、地面の小石の写真の方がより感動的に思えます。どちらも探査機から見える光景ですが、地面の写真の方がいかにも目の前にあるという感じがして好きなのです。

星団内の太陽型恒星に初の惑星発見

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admin_mb 2012-9-23 23:08
星団内の太陽型恒星に初の惑星発見

太陽系外に惑星が発見されることも珍しくなくなりましたが、星団に属する太陽型恒星の周囲に惑星が見つかるのは初めてとのことです。見つかった2つの惑星はいずれも巨大ガス惑星で、恒星に近い軌道をめぐっているそうです。これら惑星が属する星団は、かに座のプレセペ星団で地球から約550光年の距離にあり、若い恒星1000個からなる星団です。惑星が見つかったのは、星団内の構成の速度を計測している際に、2つの太陽型恒星に明らかな揺らぎが見られたとのことで、これは恒星をめぐる惑星の重力の影響により恒星が緩やかに引き寄せられたり離れたりすることで恒星の光の波長が変動することから発見されたそうです。

この星団の中の惑星から空を見ると、地球の夜空で最も明るい星の数倍明るい星が数十個あるという星空が見られるだろうとのことです。地球で言うと、金星が最も明るいときで-4.7等級、木星が-2.9等級、シリウスが-1.46等級ですから、金星や木星並かそれ以上の明るさの星がいくつも見られるということですね。

打ち上げから35年の探査機「ボイジャー1号」、太陽系の端まであと少し

1977年9月5日に打ち上げられてから35年が経過した2012年、惑星探査機「ボイジャー1号」は太陽系を出る直前のところまできているそうです。距離にして地球から180億キロメートル。太陽、地球間の距離が1億5000万キロメートルですから、その120倍の距離まで到達したことになります。木星、土星、天王星、海王星を撮影した写真には興奮したものです。同時期に打ち上げられた「ボイジャー2 号」と共に太陽系の縁まで来た探査機は秒速17キロメートルの速度で進んでいます。ボイジャーの前にパイオニア10号、11号が打ち上げられていますが、10号は打ち上げから34年経った2006年に応答がなくなり、11号は1995年に運用が停止されています。
太陽からここまで離れると太陽エネルギーが届かず、現在は原子力電池によってまかなわれているボイジャーの電力も2025年には尽きてしまうとのこと。通信は途絶えてしまうものの、その後も何万年も飛び続けることでしょう。

これら探査機には金メッキされた銅製のレコードと再生用のカートリッジが搭載されています。レコードには様々な画像や55種類の言語による音声、音楽が記録されていて、日本語の挨拶も記録されています。確か女性の声で「こんにちは。お元気ですか。」という内容だったと記憶しています。将来遭遇するかもしれない地球外生命体に向けたメッセージです。もしかしたら、他の星系で生まれた生命体によって打ち上げられた探査機も数万年に渡って宇宙を旅しているかもしれませんね。

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の星出宇宙飛行士が二回目の船外活動を行い、一回目に完了しなかった電源切替え装置の交換に成功したそうです。この電源切替え装置は四機あり、ISSへの電力供給に欠かせない装置です。前回の作業ではボルトが締まらず固定が不十分だったのですが、二回目の作業でボルトの穴の掃除や注油によって固定に成功したとのことです。

さて、船外活動に欠かせない宇宙服ですが、一般的なイメージでは海に潜る際の潜水器のように宇宙服を着ればすぐにでも船外に出られると思われているのではないでしょうか。宇宙を舞台にしたドラマやアニメでも、船外への危機一髪の脱出でも短時間で宇宙服を着ているように見えますし、船外から帰ってきた際もヘルメット部を取り外してすぐに船内の活動に戻ります。実際には宇宙服を装着して船外に出るまでには非常に時間がかかりますし、戻ってきた場合も同様に時間を要します。もちろん、一人で着脱できないとか機器の装着に時間がかかるということもありますが、それよりも気圧の問題があります。地上は1気圧でISSも1気圧に保たれていますが、宇宙服内部は約0.27気圧と非常に低い気圧に設定されています。宇宙服内部を1気圧にすると膨れ上がってしまい腕や指を曲げるのが困難になるため、気圧が低く設定されています。将来、気圧による膨らまない硬質な宇宙服ができれば気圧を上げることもできるでしょうが、現状では船外に出る際の1気圧から0.27気圧への適応、船外から戻る際の1気圧への適応のために時間がかかるのです。
気圧が急激に下がると体内組織に溶け込んでいる窒素が気泡となって毛細血管を詰まらせ、減圧症を引き起こします。この減圧症を防ぐための手順(プリブリーズ)が必要となるのです。具体的には次のような流れとなります。

JAXA「船外活動(EVA)の運用概要」より
エクササイズ・プリブリーズの手順
  • 酸素マスクを着用し、1気圧(約101kPa)の状態で自転車こぎを10分間行う。
    (上半身は筋力トレーニングを行う)
  • エアロック内を約0.7気圧(約70.3kPa)に減圧し20分間維持
    (エクササイズ・プリブリーズ開始からここまでで80分)
  • 宇宙服(EMU)の装着 EMUの装着が完了するとエアロック内は1気圧に戻される。
  • EMUを装着した状態で60分間のプリブリーズ(約0.3気圧(約30kPa)で100%酸素を呼吸)を行う。
  • エアロック内を30分かけて減圧し、ハッチを開けて船外へ出る。
以前は15時間はかかったそうですが、運動しながらプリブリーズを行うことで時間を短縮できることがわかり、準備開始から4時間半で船外に出ることができるとのことです。短くなったとはいえ4時間半もかかるんですね。

成果はわずか!? 国際宇宙ステーションの困難な将来

1969年のアポロ11号による月着陸から半世紀近く経ちましたが、有人の宇宙開発ミッションは期待通りには進んでくれません。スペースシャトルも従来のロケットよりも大幅なコスト削減が期待されましたが、結局は高いコストが原因で終了しロケットによる一回限りの打ち上げの方が安上がりということになっています。国際宇宙ステーション(ISS)も同様に当初の想定よりも遥かにコストがかかり、先行きが不安視されています。

常時宇宙飛行士が滞在している軌道上の実験室は非常に有用であるはずなのに成果は少なく、ハッブル宇宙望遠鏡による研究11,300に対して3,100とわずかなもので、宇宙ステーション内の作業台の1/4は空いたままとのこと。このような状況になっているひとつの原因は官僚主義とされ、ひとつの実験に許可がでるまでに数ヶ月を要するとのこと。これが問題視されて管理業務をスリム化するためのコンサルティング機関が関わるようになったにもかかわらず、あまり改善されていないとのこと。

なんとも先行きの暗い話ばかりですが、スペースシャトル計画終了後、民間企業Space X社のカプセルDragonがISSに物資を運ぶようになってから物資の運搬コストが削減され、民間投資が促進される可能性がでてきました。現時点の宇宙観光はごく一部の超お金持ちだけが体験できるもので、しかもかろうじて宇宙といえる高さまで上昇し短時間の無重力を体験し地球を眺めることができる程度ですが、それでも宇宙に行きたいという人が大勢いるでしょう。宇宙旅行ビジネスが成功しコストが大幅に削減されるのが早いかISSの寿命が早いか。ISSのような施設はそう簡単には建設できませんので、何とか宇宙ビジネスでのISSの活用によりISSの寿命を延ばしてほしいものです。

ニール・アームストロング船長死去

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admin_mb 2012-8-27 23:50
1969年7月20日、人類で初めて月面に降り立ったアポロ11号のニール・アームストロング船長が、2012年8月25日亡くなりました。享年82歳。心臓の冠動脈閉塞のため、今月初め冠動脈をバイパスする手術を受けていたそうですが、心臓手術の合併症により亡くなったとのことです。ご冥福をお祈りします。

11号が着陸する前に8号、10号が宇宙飛行士3名を乗せ月周回飛行を成功させていますが、当時の月面着陸を支えた技術は今からみると原始的なコンピュータと手動操縦です。事前に着陸場所は調査されていたとはいえ、実際の着陸地点の決定と操縦はアームストロング船長の操縦にかかっており、実際着陸した際には燃料の残りは25秒分、着陸の予定地点からも大きくずれていたとのこと。遥かな昔に人類が原始的な船で海を渡ったような感じですかね。恐らく、当時の月到達よりも今火星有人飛行を行うほうがまだ安全ではないかと思います。

2023年に火星移住、マーズワン計画

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admin_mb 2012-8-19 8:57
2023年に火星移住、マーズワン計画

オランダのベンチャー企業「Mars One」が火星移住計画「マーズワン・プロジェクト」を立ち上げました。計画によると、2023年までに宇宙飛行士を送り込み、2033年には20人以上が火星で居住できる環境を整えるとのこと。計画では、2016年に通信衛星打ち上げ、2018年に探査車を火星送り込み移住に適した場所を見つける、2020年に入植地用のコンポーネントを送りローバーを使い組み立て2021年完成。2022年に最初の移住者を打ち上げ10ヵ月後2023年に火星に到着。太陽光発電パネルを展開し電源システムを完成させ、いよいよ人間による火星探索が始まる。2025年第二陣到着。2033年には20人になる予定とのこと。計画では一方通行で、地球に戻ることはないそうです。

イメージ映像を見ると、最初に6つの居住ユニットらしきプリンのような円錐状の建物と、温室のような形状の恐らく農場用と思われるユニットで構成されています。実際に火星で生活するとなるとどんな感じになるでしょう。最初の四人は男女二組。地球に戻れないとなると医者がメンバーに入っている必要があり、更に全員盲腸は摘出した上で火星に向かうことになるでしょうね。地球からの補給も定期的にあると思いますが、自給自足のための農場はもちろん鶏くらいは飼育するかもしれません。水は地下の氷を溶かし利用するそうですが、毎日シャワーを使えるくらい潤沢に利用できないと生活はつらいものになりそうです。地下の氷を利用するための設備の故障も不安です。
日課としては、自給自足のための農場の維持と機器のメンテナンスに明け暮れるのではないかと思います。通信はできますのでインターネットは利用できるでしょうが、逆に地球へのホームシックを感じることになるかもしれません。また、地上走行用のローバーは用意されると思いますが、基本火星は岩石砂漠の死の世界ですのでどこまで行っても見た目にわかりやすい発見は難しいでしょう。グランドキャニオンの何倍もの規模であるマリネリス峡谷、25000mにも達するオリンポス山等の”観光地”はありますが、現地にバックアップ体制がない中で危険は冒せませんので、近くまで訪れるのがやっとでしょう。

火星で人類が生活するというのは魅力的で最初は注目を集めるはずです。ただ火星とはいっても砂漠の惑星ですからすぐに飽きられてしまう可能性は十分あります。アポロ計画でも13号は事故の発生によって話題となりましたが、月到達自体の興味は低くなっており、その後17号まで計画が続いたことすら知らない人も多いでしょう。火星の場合も、世間の注目がなくなってからも補給やサポートを続ける予算を確保できるかどうかが心配です。リリースによると、トータルコストは60億ドルと推定され、既に多くの企業やメディアから資金調達を得ているとのことですが、国際宇宙ステーションですら先行きが心配されている中、完全に自給自足できまでの何十年もの間バックアップを続けられるかどうか。少なくとも火星から地球に帰ってこれる手段だけは用意した上で取り組むことが必要ではないかと思います。

キュリオシティ火星に着陸

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admin_mb 2012-8-11 9:05
キュリオシティ火星に着陸

NASAの火星探査車キュリオシティ(マーズ・サイエンス・ラボラトリ)が「恐怖の7分間」を無事乗り越え火星に到達しました。火星の大気圏の上層から地上まで降下するのに要する時間は7分。着陸を試みる時点の火星の位置は、地球との通信に14分を要するほどの距離にあります。そのため時速約13,000マイル(時速約20,921km)から停止までの7分間、すべて自動制御で行なわれます。

火星にも大気はありますが非常に薄く地球の0.75%程度です。これだけ薄くても高速で突入しますので、機体は空力加熱により1,600度の高温になります。ただし減速の効果は小さいため、パラシュートを使い減速します。パラシュートを開く時点の速度は時速約1,000マイル(時速約1,609km)。機体の重さは65,000ポンド(29,483kg)、開いた瞬間に9Gもの力が加わります。このGがかかるところで機体を熱から守ったヒートシンクを切り離し、パラシュートによる降下を開始。ヒートシンクを切り離すことで、機体下部の各種センサーが使えるようになります。
このパラシュートによる減速でも速度はまだ時速200マイル(時速約322km)。次にパラシュートを切り離し、機体のロケットエンジンによる減速が開始されます。切り離したパラシュートに絡まないよう、まずロケットを横方向に噴射、その後降下速度を減速していきます。
このままロケットで減速しながら着陸するのかというとそうではありません。このような着陸を行なうと地表のホコリを舞い上げてしまい、探査機に悪影響を与える可能性があることから更に別の作戦が行なわれます。地表から20mの高さまで来たところで、探査ローバーを21フィート(約6.4m)のワイアーを使いクレーンで吊り下げ、残り約14mを降下するのです。最終的な速度は時速2.7km。そしてローバーが着陸するとロケット部は遠くに飛ばされます。複雑な作戦を一発で成功させるとは、NASAはやはりすごいですね。

これまでも火星探査は何度も行なわれていて、着陸の仕方で印象に残っているものとしてはエアバッグで機体を覆い着陸するという方法ですが、今回は機体が大きく更にクレーター内に着陸するという正確性が必要だったことから別な手段を使ったようです。
すでに着陸地点から撮影された画像も届いています。今後の探査が楽しみですね。

地球観測衛星ランドサット40周年

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admin_mb 2012-7-29 8:40
地球観測衛星ランドサット40周年

1972年7月23日に打ち上げられた初の地球観測衛星ランドサット1号が、打ち上げから40周年を迎えました。これまでに7機が打ち上げられ、5号と7号の2機が現在も地球の観測を続けています。5号機は84年、7号機は99年の打ち上げでそれぞれ長期運用されており、観測機器の一部はすでに故障しているそうです。後継機は2013年に打ち上げが予定されており、現在NASAとアメリカ地質調査所が共同で開発を進めているとのことです。

観測衛星は、土地利用の変化や森林伐採率の調査、水質の監視、海氷や氷河の動きの追跡、農業開発や都市計画等にかつようされています。資源探査衛星や気象衛星等、決まった目的に特化された衛星も多いですが、可視光だけで考えるとどうやって軌道上からの観測で資源の有無や種類が判別できるか不思議に思えます。可視光といっても、そのスペクトルを解析することで地表の物質を推定することを可能にしているとのこと。天体観測でもスペクトルの解析で様々なことがわかりますが、地表を観測する際も同様にスペクトル分析で色々なことがわかるのですね。

さて、宇宙から地球を見ると国境が見えることがあるそうです。もちろん、河川や山脈が国境になっている場合に見えるという意味ではありません。国によって土地の利用方法が異なるため、国境付近でその違いがきわだつのです。例えばアメリカ、メキシコ国境あたりだと、アメリカ側が原野でメキシコ側の住宅地が国境間際まで広がっている地域があります。

「こうのとり」3号機の打ち上げ成功

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admin_mb 2012-7-24 22:43
「こうのとり」3号機の打ち上げ成功

2012年7月21日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ補給機「こうのとり(HTV)」3号機が種子島宇宙センターから打ち上げられ、打上は成功しました。H-IIBロケットの打ち上げ成功はこれで3回連続となります。HTVは打ち上げから14分53秒後にH-IIBロケットから分離され、地球周回軌道を飛行。27日にISSとドッキングします。H-IIBロケットは、HTV分離後、第二段機体で2回目の燃焼を行うことで、チリとニュージーランドの間の安全な海域に誘導する制御落下実験も実施されたとのこと。

HTVは、ISSの軌道面が種子島宇宙センター上空にある時に打ち上げ。6日間をかけて飛行し高度約400キロのISSにドッキングします。HTVが投入される軌道の高度は平均250キロ。ISSよりも低い高度ですので、その分速度は早くなります。地球に近い分重力の影響が強く、落下しないためには速い速度で地球を周回する必要があるのです。低い軌道で増速すると長円軌道となり、地球から最も離れる遠地点高度では速度が遅くなるので、ここで適切に増速することで高い軌道に乗ることができます。6日かけてタイミングを計って噴射を繰り返しISSの軌道に高度を上げISSに接近していくのです。

計画では29日間ISSに滞在し、その後離脱し2日間をかけて再突入します。「こうのとり」は今回の機体が3機目となりますが、開発はこの3号機で完了、今後はこの設計で運用気として量産されるそうです。2号機まではメインエンジン4基を米エアロジェット社の4Dエンジン、スラスタ28機にはシャトルのバーニアRCSスラスタとしても使われていた同エアロジェット社のR-1Eスラスタを使用していたとのことですが、3号機からは国産に置き換え。これにより、軌道間輸送のキーテクノロジの獲得と調達コスト低減と調達安定性が確保されたとのことです。中国の有人ロケットに比べると地味ですが、地道に技術を蓄積しているということですね。

火星サイズの惑星、地球の間近で発見

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admin_mb 2012-7-21 10:07
火星サイズの惑星、地球の間近で発見

太陽系外で惑星が発見されることも珍しくなくなりましたが、見つかる惑星の多くは木星のような巨大ガス惑星です。今回発見された惑星は、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡による惑星調査を行っていた研究チームによって偶然発見されたとのことです。海王星ほどの大きさの惑星GJ436b(グリーゼ436b)を調査中に別の惑星の存在を示す信号が見つかったことから発見されたこの惑星は、火星よりやや大きな惑星で直径が約8400キロ、公転周期が1.4地球日ときわめて主星に近いため表面は溶岩の海になっているのではないかと考えられています。火星サイズとはいっても似ているのはサイズだけということのようです。なお、現時点では惑星の質量が特定されるまでは、公式基準によりその存在が認められたとわいえないそうです。

さて、地球の間近とはいってもこれは天文学的な意味で近いという意味です。この惑星は赤色矮星グリーゼ436の周りを公転しています。グリーゼ436は、しし座の方向33光年離れた位置にあり、このサイズの惑星としては地球に最も近いところで見つかったということのようです。

5番目の衛星発見、冥王星系の複雑さ

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admin_mb 2012-7-15 22:59
5番目の衛星発見、冥王星系の複雑さ

冥王星には現在NASAの無人探査機ニューホライズンが向かっていますが、この無人探査機にとって危険な環が冥王星に生じていないかを確認するため、ハッブルによる観測が行われています。その副次的な効果として、5つ目の衛星が見つかったそうです。この衛星はP5と呼ばれており、直系は10~25キロと推定され、1年前に見つかったP4の2/3の大きさとのこと。
これまで見つかった冥王星の衛星5つは起動共鳴の関係にあるそうです。起動共鳴とは、冥王星を周回する周期が整数比になるという現象で、P5は冥王星最大の衛星カロンと1対3の起動共鳴の関係にあり、冥王星の周りをカロンの3倍の日数で周回しているとのこと。他の衛星もカロンと起動共鳴の関係にあり、2005年に発見されたニクスは1対4、P4は1対5、ヒドラは1対6の関係にあるそうです。
衛星がこのような位置関係にあることが発見されるにつれて、冥王星誕生の早い段階で何かかなり大きなものの衝突を受けたとする説を支持する向きが強まっているとのこと。この説によると、衝突で吹き飛んだ破片が癒着してカロンを形成、その他の衛星も破片が癒着して形成されたが、その位置はカロンの軌道によって厳密に定められたことで、それぞれ軌道共鳴の関係になったそうです。

さて、この説が正しければ、冥王星の周りには小さな破片が多数周回している可能性があります。ニューホライズンは時速約5万キロで最短で1万キロまで冥王星に接近し通り過ぎることになっていますので、数ミリの破片でも衝突すると深刻な影響を被る可能性があります。幸い、現在のところこのような期限が集中する環のようなものは見つかっていないそうです。仮に何か見つかった場合は軌道を修正し予定よりも離れた位置を通過するよう修正が可能とのこと。この修正は再接近の10日前まで可能だそうで、更には「防弾装備」もされているとのことですので、破片との衝突で観測自体が失敗する可能性は低そうですね。

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